厚生労働省はきのう1日(2014年9月)、デング熱の感染者22人を確認したと発表した。発症者は6都県に散らばるが、全員が8月の上中旬に東京・代々木公園や周辺に行っており、ここでウイルスを持つ蚊に刺されたとみられる。さらに拡大する可能性もある。
「高熱でフラフラです。きつーい。すぐに喉が渇くし、水分が手放せません」
22人は子どもから50代で、東京14人、埼玉3人、神奈川2人、千葉、茨城、新潟が各1人。しかし、ほかにも感染者がいる可能性は高い。タレントの青木英李(25)と紗綾(20)もTBSの情報番組「王様のブランチ」のロケで21日に代々木公園を訪れ、感染の疑いが出ている。青木はブログに「代々木公園で小学生以来、久しぶりに虫取りしたよ」などと書いていたが、約1週間後に40度近い高熱を出していまも入院中だ。紗綾もブログに「高熱でフラフラです。きつーい。すぐに喉が渇くし、水分が手放せません」といっている。
2人とも22人の中にカウントされておらず、退院のメドもたっていない。ロケのスタッフも蚊に刺されているだろう。発症してなくても、感染している可能性はある。公園周辺では、犬の散歩をしていた人がデング熱に罹ったとか、「息子が熱を出したので医者へ行きなさいといった」という話はたくさんある。
東京都は先月28日、最初に確認された3人の感染者がいた渋谷門のあたりを立ち入り禁止とし殺虫剤を散布したが、1日には蚊の発生を防ぐため噴水池や排水の側溝で水抜きが行われた。側溝は275か所もあり、終了までに1週間かかるという。
感染者の移動で各地に広がっている可能性
1日には、渋谷門と道路を隔てた広場で防災訓練が行われ、参加者は長袖にズボン姿で「蚊がこわいからスプレーを持ってきた」。道路沿いのオープンカフェでは蚊取り線香がたかれていたが、客足はまばらだった。
けさ2日も、いつもは人で埋まっているベンチも空っぽ。レポーターの岡安弥生も長袖、スラックス、首にスカーフという姿だ。それでもジョギングをしている人がいる。ベンチで1人座っている人もいた。いい度胸なのか、騒ぎを知らないのか。
井口成人レポーターが「先週はあまり広がらないだろうといっていたのが、そうでもないということになってきました。人間はどこへでも行くから…」
嘉糠洋陸・慈恵医大教授は「感染した人を刺した蚊に刺されれば感染は広がります」という。
司会の羽鳥慎一「発症していなくても?」
嘉糠「可能性はあります。そういう人は病院にも来ないからわからないんです」
2006~10年に海外で感染して帰国した人は、確認できただけで581人。去年には日本を訪れたドイツ人女性が帰国後に発症した例があった。状況からみて、日本で感染したとしか考えられないという。
ただ、581人のうち重症は24人、4%だ。しかし、デング熱は2度目に罹ると重症になるという。抗体ができると普通はいい方へ作用するのだが、デング熱は逆なのだというから不気味だ。なにしろ効く薬がない。