厚生労働省は1日(2014年9月)、新たに19人のデング熱の感染者が確認されたと発表した。いずれも海外渡航歴がなく、8月中に東京・渋谷の代々木公園周辺を訪れているという。
新たにわかった19人は東京13人、神奈川2人、埼玉、茨城、千葉、新潟1人だ。東京都は感染拡大を防ぐため、公園内の池の水を抜く作業を始めた。水中に生息する蚊の幼虫(ボウフラ)を駆除する狙いで、すべての水を抜くには2日はかかるという。また排水溝に溜まった雨水や泥を取り除く作業も行われた。
国立感染症研究所「今後も他の地域で限定的流行あり得る」
厚労省はデングウイルスを持った蚊が複数存在しているとみている。感染者の血を吸った蚊が別の人の血も吸ってウイルスを運搬、さらに新たに感染した人の血をまた別の蚊が吸って次々と患者が広がっていったとみられる。
国立感染症研究所の西篠政幸ウイルス第一部長は「今後、他の地域で限定的な流行が起こることは否定できないが、全国に広がって多くの患者が出ることは想定しづらい」という。ただ、大元の感染者は特定できていない。
発症した患者が感染したと考えられるのは8月2日から28日の間だ。この期間に公園で行われたイベントは、2~3日「アセアンフェスティバル2014」、9~10日「ユーロフェス2014」、16~17日「カリブ中南米フェスティバル2014」だった。
キャスターのテリー伊藤「イベントを見ると、日本に持ち込まれた荷物の中に生きた蚊が紛れ込んでいた可能性があるという話もあり、大元が人でない可能性もありますよね」
東京都は2日、蚊が二酸化炭素に寄ってくる習性を利用して、ドライアイスを使った捕獲の罠を公園内10か所に設置することにしている。また、デング熱に関する問い合わせに応じるため、デング熱専用電話(03・5320・4179)を設置した。