「大きなキセキ、小さなキセキ」をテーマに行われた日本テレビ系の24時間テレビの特集なかで、難病と闘っている落語家の林家こん平(71)と17歳の少年が、がんと闘いながら片足でイルカショーに挑んだ努力の軌跡をたどった。
「笑点」仲間の桂歌丸「こんちゃんはとにかく意志の強い人です」
24時間テレビの主会場である武道館に出演したこん平は感無量だったろう。ちょうど10年前の2004年8月、24時間テレビの「笑点コーナー」に出演したあと倒れて緊急入院、意識不明で全身硬直の状態だったという。
病名は多発性硬化症。中枢神経系の異常でさまざまな症状が出る原因不明の病気だ。彼の場合は手足の麻痺と声帯不随が主だった。落語家にとって声がでない辛さは他人にはわからない。それでも家族の支えで懸命にリハビリに励んだ。しかし、昨年6月(2013年)、糖尿病を併発して一時は呼吸困難で心肺停止に陥り、左足小指の壊死になった。それでも頑張った。
24時間テレビ出演のためにテレビカメラが自宅に入り、朝食を散る姿を撮ると、動かなかったはずの右腕が動いた。習い性というのか、2女の咲は「オオッ」と驚き、「テレビカメラのおかげです」という。武道館の舞台で桂歌丸(78)が「こんちゃんはとにかく意志の強い人です。いつまでも強い意志を持っていてもらいたい。お願いします」と激励すると、「ありがとうございます」。そして10年ぶりにあの「1、2、3チャラ~ン」の掛け声を披露した。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト