年間500万人が訪れる東京都心の代々木公園の一角が突然封鎖され、白い防護服の作業員が殺虫剤をまいた。デング熱の感染者が新たに2人見つかり、代々木公園のやぶ蚊がウイルスを媒介しているらしいことがわかったからだ。70年ぶりの国内感染で、なぜ熱帯病のウイルスを持った蚊が都心の公園などにいたのだろう。
蚊の捕獲検査ではウイルス検出せず
新たに感染が確認されたのは、都内に住む20代男性と埼玉県内に住む20代の女性で、2人はおととい報告されたは埼玉県の10代女性と同じ学校だ。8月上旬から20日まで、毎週3回ダンスの練習で代々木公園に集まっていた。
デング熱は人から人へは感染しない。厚生労働省によると、感染者が公園を通りかかる→蚊がこの人を刺して血を吸う→その蚊が3人を刺すというルートが考えられる。あるいは1人がどこかで感染して、その人を刺した蚊が他の2人を刺したのかもしれない。ダンスの練習にはほかに学生31人が参加していたが、症状は現れていない。
代々木公園はJR原宿駅から約500メートル。入園者の女性は「こんなとこでおそろしい」。ジョギングの男性は「予防はしていません。夏は走りやすい格好で来ています」
蚊の行動範囲は半径50メートルで、東京都は感染者たちがダンスをしていたあたりから半径75メートルにフェンスを張り、蚊がいそうな木の周りや土に殺虫剤をまいた。網で蚊を捕獲して検査をしたが、いまのところウイルスを持つ蚊はつかまっていない。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト