土石流被害の広島の避難所で、被災した子どもたちが手作りの壁新聞をつくり始めた。「ファイト 梅林しんぶん」という。梅林小学校の新聞ということらしい。
第1号(8月24日制作)のトップ記事は、「スリッパをそろえよう」。避難所となっている校舎内の2、3、4階のトイレのスリッパでそろっていなかった数が表になっている。「トイレも共同スペースです」とある。ごていねいに「1階トイレは職員トイレなのでカウントしてません」とユーモアもある。
そして、その下には「マッサージ師さん参上!」「ご高齢のかたや土砂のそうじで足腰を傷めている方のマッサージです」。マンガもついていて「もむぜ」なんて吹き出しつきだ。
「子どもなので力仕事ができない。何が役立てるかなと思って」
読んだ大人たちは「凄い発想だね」「感動して涙が出た」
作ったのは女の子2人だ。中学1年の宮本博代さん(12)と小学5年の道上ゆなさん(11)。きっかけは、避難所で大人がケンカをしているのを見たからだという。スリッパをそろえろよという話だった。宮本さんは「大人だと口論になりやすいし、私たちが直接言うのも生意気かなと。それで新聞にした」という。
支援物資のスケッチブックとペンで「自分なりにできること」を考えたのだ。「子どもなので力仕事ができない。何が役立てるかなと思って」ともいう。
外の現実は厳しい。厚く積もった土砂は乾けばカチカチで砂埃となり、雨が降ればぐちゃぐちゃのぬかるみだ。それに巨大な岩石が加わって、流された家屋や犠牲者を飲み込んでいる。次の新聞を作りたいのだが、2人は「哀しい話ばかりなので、楽しい新聞を作りたい」(宮本さん)。「先生方に『これはいい新聞だ』といわれた。凄いありがたいです。勇気づけられます」(道上さん)という。
大人より大人の彼女たち
司会の羽鳥慎一「彼女たち、ものすごく大人ですね」
赤江珠緒キャスター「しっかりしてますね」
岩上安身(ジャーナリスト)「新聞記者でスカウトしたい。即戦力で使える」
高木美保(タレント)「イライラする大人の気持ちを察して…」
羽鳥「私たちが口を出すのも生意気で、なんてね」
岩上「メディアの原点ですよ。届けなきゃと思ったものを届ける。一番大事なことです」