アメリカから始まった難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」研究のための募金パフォーマンス「アイス・バケツ・チャレンジ」は、有名人の指名連鎖とSNS効果で爆発的に広まったが、ここへ来て、米政府が抑えに動くなど雲行きが微妙になってきた。
「国務省や国防総省などは特定の慈善活動支援を禁止」
米国務省のハーフ副報道官は21日(2014年8月)の会見で、「価値のある目的でも、政府高官が特定の利益のために公共の地位を利用することは禁じている」とクギを刺した。国務省や国防総省などには特定の慈善活動支援を禁じた職務倫理規定がある。これに触れるというわけだ。
ケンタッキー州では先週、集団チャレンジに協力した消防士4人が乗ったクレーンが高圧線に近づきすぎて感電、1人が重体という事故が起って、文字どおり「水を差した」。同時に「売名パフォーマンスだ」「くだらない遊び」とお決まりの反発もでていた。
日本ではまだ上向きで、くまモン、ももいろクローバーZ、郷ひろみ、市川海老蔵、桂文枝、コロッケ、高須克弥、田中将大、三浦知良、ラモス瑠偉、香川真司、森進一とパフォーマンスは続く。街の声も「知名度はあがる。ALSという病気も知らなかった」「他にも助けないといけない人はいる」などさまざまだ。
このパフォーマンス、どこから始まったのか定かでない。発案者だと特定の名前をあげて顔もさらす人もいるが、それが何人もいる。報道によって違う。なかには「最近死んだ」という話もある。
とはいえ、わずか3週間で全米ALS協会には55億円、日本でも5日間で394万円が集まったというから効果のほどは確かだ。
日本でも「私はかぶらない。チャリティーは自分から黙ってやるもの…」
司会の羽鳥慎一「爆発的な広がりはすごい。あらためてSNSの威力を感じますね。知られるのはいいことだと思います」
青木理(ジャーナリスト)「だんだん全身の筋肉が動かなくなっていく病気ですが、原因もわからない、治療法もないんです。だから寄付が集まるのはいいことだが、パフォーマン スになってるところもありますよね」
受ける方もいろいろになってきたという。橋下徹・大阪市長は「行政機関の長でもあるので」、タレントの和田アキ子は「チャリティーは自分でするもの」と、ともに辞退している。また、海老蔵、鈴木おさむは水はかぶったが、次の指名はしなかった。
石原良純(タレント)「指名があったから広がった面がありますがね…」
青木「いいことやってるのに拒否するのみたいな。両面あるんでしょう」