広島市内を襲った豪雨による大規模な土砂災害は警報が間に合わなかった。雨雲の流れを見ると、広島市上空の狭い範囲で大雨を降らせる雲が連続して通過している。気象予報士の藤富郷は「前線のへりに向かって湿った南からの空気が流れ込み集中豪雨になった」という。
なぜ前日夕方までに出せなかったのか
降り始めたのは19日(2014年8月)夕方だった。いったん小康状態になったが、午後9時ごろから猛烈な雷雨に変わり、20日午前3半にまでの1時間に120ミリの記録的な雨量をもたらした。
安佐南区から土砂崩れ発生の一報があったのは20日午前3時20分だが、コメンテーター宮崎哲弥(評論家)よると「県西部を中心に土砂災害警戒情報が出されたのは20日午前3時から4時だったようです。なにぶん寝静まった頃で避難が遅れたのかもしれない」
土砂崩れ発生前後に警報が出されるというのも解せないが、豪雨の発生しているさなかの夜間の避難は事実上難しい。なぜ前もって警報や避難勧告が出されなかったのか、今後検証する必要がありそうだ。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト