シリアの反政府武装組織「イスラム国」に拘束された日本人男性は千葉在住の湯川遥菜さん(42)らしいことがわかった。拘束はおととい17日(2014年8月)にネット動画サイト「YouTube」で公開された映像で明らかになったのだが、追いかけて「イスラム国」とみられる犯行声明も出た。
敵対勢力と一緒に行動
湯川さんはトルコ国境に近いアレッポで拘束されたと見られる。犯行声明はイスラム・グループが使う共有サイトで、「ハルナ・ユカワという日本のスパイを拘束した。彼は日本の軍事会社のCEOだとしている」とある。さらに、湯川さんの携帯にあったという写真も公開した。「イスラム国」と敵対する「自由シリア軍」らしい兵士と一緒に写っており、「スパイである証拠だ」としている。
湯川さんの安否は確かめようもない。シリアではアサド政権、3つの反政府勢力が戦闘を続けており、日本大使館もヨルダンに避難している。「イスラム国」との交渉ルートもない。
「モーニングバード!」はなぜかこの男性が湯川遥菜さんであることには触れない。奇妙な伝え方だ。他の報道では、湯川さんは民間軍事会社を作って、シリアで実績をあげたいといっていたという。日本で軍事会社とは意味不明だが、何度かシリアに入っており、主として反政府勢力の「自由シリア軍」と行動をともにしていたと伝えられている。
問題は拘束されたときのYouTubeの映像だ。この中で湯川さん(らしい男性は)「カメラマンだ」と話している。「なぜ銃を持っているんだ」というの質問もあり、武装していたことがうかがえる。犯行声明でも身分は割れているようだ。
人道支援・救援でも容赦なく処刑
これまで、イラクやアフガニスタンなどで日本人が殺されているが、民間人は人道支援とか援助のためだった。それでも殺されている。武器を持っていたらどうなるか。これまでにないやっかいな状況だ。
司会の羽鳥慎一「どういう立場で、どういう目的でというのがまだわからないんですよね」
岩上安身(ジャーナリスト)「過去に日本人がイラクやアフガニスタンで拘束された時とは状況がまったく違います。彼らは平和のためにとか、身分がはっきりしていた。敵でも味方でもないことはわかった。ところが、この人は武器をもっていた。
しかも、民間軍事会社だという。そしてカメラマンだとも名乗っている。偽装と思われても仕方がないんですよ。スパイだと。それも日本政府が関与したのではないかとなりかねません。日本政府は関与してないといわないといけない」
民間軍事会社経営、銃で武装というだけで尋常ではない。ただの武器・軍事マニアにもみえるが、いろんな日本人がいる。