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VIP警護の「民間軍事会社」自称して真っ先に自分が拘束

   ロバート・キャンベル(東大教授)は厳しい指摘をする。「紛争が起きているところに一人で入って、民間軍事会社を名乗るなんていうことは、普通はあり得ないことですよ。日本人が紛争地に渡航した時に安全に護衛する狙いでPMCを設立したと言っていますが、真っ先に自分が拘束されてしまった。これは推測ですが、おそらく身代金を要求されると思います。いま生きていることはそれを意味する」

   「イスラム国」は資金調達の手段として、おととしから金持ちのヨーロッパ人、とくにドイツ人、フランス人を誘拐し身代金を密かに取っている。6人で6000万ドル以上が身代金として流れたという。一方、身代金は払わないと政府が断言している米国人や英国人の誘拐はないという。

   キャンベル「もし日本政府が身代金を要求されて払えば、今後、中近東へ出ていく日本人はさらなる危険に晒されることになります。言葉は悪いが、バカヤローと言いたい。12年8月にシリアで取材中に政府軍の銃撃で殺害された山本美香さんの事件とは全く違うということです」

   危険を承知で行う冒険はすべて自己責任だが、外務省が渡航制限をしている紛争地へさしたる準備もなく入っていったのは、単なる暴走行為である。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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