湯川遥菜さん ただの戦争オタク?「この緊張感が刺激的で癖になりそう」

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   内戦まっただ中のシリアにのこのこ入り、反政府武装組織「イスラム国」に拘束された湯川遥菜さん(42)は何が目的だったのか。浮かび上がってきたのは、現地事情もよく調べずに安易にビジネスチャンスを探しに行った戦争オタクの姿だった。

以前は自衛隊向け服・資材の納入会社勤務

   湯川さんのホームページによると、今年1月に民間軍事会社「PMC・JAPAN」を設立している。前職は自衛隊に服や資材を収める会社勤務だった。その中で夢でも見たのか、紛争地などでの国の要人保護や企業の施設を守るセキュリティーの仕事を思いついたらしい。この会社の顧問をしているという木本信男氏はこう話す。

「当初、話があったのは海賊が出るソマリアで貨物船を守るための護衛で、それをメーンにしたいという話だった。それがシリアの方にルートがあったのだろうか、向こうで勉強したいといいだしたんです。英語も日常会話がスラスラできるレベルじゃないのに…」

   今年4月(2014年)にもシリアを訪れていて、その時のブログには「僕はこの程良い緊張感がまた刺激的で癖になりそう」と書かれていた。その時にシリアで会ったというジャーナリストの後藤健二は「会った瞬間に、これは(紛争地の)プロフェッショナルではないなと分かりました。経験が足りないし、もっとやるべきこと、覚えることがあるんじゃないかと言ったんです」と忠告したという。ところが、7月下旬に再びシリアへ向かう。出発直前にブログにこんな心境を綴っている。「たぶん、今までの中で一番危険かもしれない」

   シリア情勢に詳しい東洋英和女学院大の池田明史学長は「シリアは現在、空から政府軍が爆撃し、地上では反体制派のイスラム戦線とアルカイダ系のイスラム過激派組織『イスラム国』が戦っており、誰が敵で誰が味方か分からない状況です」という。そんなシリアへ反体制勢力「イスラム戦線」のメンバーに同行する形でトルコ側から入り、敵対するイスラム過激派組織「イスラム国」に拘束された。一緒にいたイスラム戦線のメンバーは殺害されたという。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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