ベスト1は?大橋巨泉さんの「我行かん」の気迫
週刊誌の楽しさはコラムにありといってもいいのではないか。数多あるコラムの中で私のベスト1をあげると大橋巨泉さんの「今週の遺言」だ。私が始めたからではなく、タイトルもやや気にはなる。だが、1年のうち日本に3分の1、外国に3分の2住んで、その国の情報を入手して熟読玩味し、日本の政治や日本人について書く筆致は鋭く、的を射ているといつも思う。
専門家でも学者でもないが、いま一番日本人論を書かせたい人である。以前の連載中、厳しい小泉政権批判をしていたコラムを読み、田中康夫氏が感激して私に電話をくれた。民主党の菅直人氏は、それを読んで旅先から巨泉さんに電話をし、参議院選に出てくれないかと懇請した。参議院選に当選しても3か月で党のやり方に反発して辞めるなど批判されるところもあるが、自分の思うところわれ行かんという気迫は、いまの安倍政権批判にもよく出ている。ぜひ1度読んでみてください。