充実している「週刊現代」伊集院静、佐藤優、古賀茂明、井筒和幸…
次は各誌の読ませるコラムを見てみたい。週刊文春は昔から連載コラムがおもしろいと評判の週刊誌だが、いまは林真理子は女性に人気があるようだがマンネリ感は否めない。映画好きの私が欠かさず読むのは小林信彦の「本音を申せば」だが、古い思い出話に興味深いものがある。伊集院静の「悩むが花」は読者の相談コーナーだが、私には読む気が起こらない。適菜収の「今週のバカ」がときどきおもしろい。
連載王国だったはずの週刊新潮に読むべきコラムが少ない。藤原正彦の「管見妄語」は意外なほど言っていることがまとも。櫻井よしこは主張が100年一日なのは凄いとは思うが、タカ派チックなのでいつもパス。福田和也の「へそまがり世間論」はときどき当たりがあるが、以前のコラムのほうがおもしろかった。
週刊朝日には長寿コラムが多い。先に紹介したほかに、田原総一朗さんの「ギロン堂」786回、地味だが読めばおもしろい嵐山光三郎さんの「コンセント抜いたか」が860回、立川談志さんがこの人は苦手だといっていた内館牧子の「暖簾にひじ鉄」が640回。田原さんはいつも読んでいるが、ここ数年は政権寄りの発言が目立つように思うのだが。相撲の話題を抜いたら内館コラムはイマイチ。嵐山さんは山口瞳さんを慕っているから、コラムにも手抜きがない。これだけのことをこれだけ書けるというのに毎回感心している。
『週刊ポスト』は残念ながらこれといったコラムがない。強いてあげれば大前研一の「『ビジネス大陸』の歩き方」だが、どこまで行ってもマッキンゼー調が鼻につく。長谷川幸洋の「反主流派宣言」は、東京新聞では反主流ではあるが、安倍政権では主流派ベッタリだから、安倍首相がこれから何をしようとしているのかを推測するためには読んでおいたほうがいいのかもしれない。
いま一番コラムが充実しているのは週刊現代ではないだろうか。伊集院静の「それがどうした」は週刊文春よりナンボかいい。大橋巨泉さんの現政権批判には聞くべきものが多くある。酒井順子「その人、独身?」は私の好みではないが、魚住昭さんの「誌上デモ わき道をゆく」は魚住さんの人柄がよく出ているルポ。佐藤優さんの「人間観察」には気付かされることが多いし、なんといっても古賀茂明の「官々諤々」は必読である。
映画好きには井筒和幸監督の「今週の映画監督」がたまらない。今週はしぶ~いポーランド・デンマーク映画の「イーダ」を紹介している。この映画、時間がなくてまだ見ていないが、ぜひ見たいと思っている映画だ。井筒監督の評価も「ゴジラなんかお呼びじゃない」である。