13日(2014年8月)にスイス・グリゾン州で起きたレーティッシュ鉄道の事故は、重軽傷11人を出したが死者はなかった。状況が明らかになってみると、 よくまあそれだけで済んだといえるほどのきわどいものだった。救ったのは樹林だった。
かろうじて樹木に引っかかった奇跡
事故当時は強い雨が降っており、8両編成の先頭の電気機関車が通過したところを土砂が襲った。土砂は機関車の後部に当たったが、重量があるためか押し流されず、2両目の客車が谷に落ちた。線路は谷底から60~70メートルの高さにあるが、車両は10メートルほど落ちたところで木にひっかかって止まった。樹木がなければそのまま落ちて大惨事になっていただろう。さらに幸運なことに、後続車両は引きずられずに土砂に乗り上げて止まっていた。落ちた土砂の量も少なかったようだ。
140人の乗客のうち11人が重軽傷を負い、うち日本人は5人。横浜在住の70代の男性が腰の骨を折る重傷を負った。死者が出なかったことに鉄道会社は「列車には守護の天使が一緒に乗っていたんでしょう」と話している。
土砂崩れや雪崩の警報システム
スイスの山岳鉄道はいまでこそ観光が主だが、道路が未整備だった時代は人や物資輸送の柱だった。歴史は古く安全対策は行き届いている。土砂崩れや雪崩に対しては警報システムが張り巡らされて、前方に不都合が生じた場合は列車は自動停止するようになっている。今回は機関車が通過した直後の直撃だった。
司会の羽鳥慎一「走っているところに落ちてくる確率も少ないし、また木が支えた。まさに奇跡。きれいなところだし、行ってみたくなりますよね」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「VTRを見ても絶景ですよね。それより、死者が出なかったのが不思議なぐらいですね」
飯田泰之(明治大准教授)「現地ではかなりの大雨といっていますが、日本人の感覚からだと大した雨ではないですよね」
羽鳥「雨は少ないんですかね」
スイスは山国、雨はつきものです。