「中国の国籍をやめ、日本の社会に生きていく決心した帰化の人たちに、私の苦しみを味わわないように頑張りたい」
この記事を読んだ女子学生の母親から以下のようなメールが来た。「『防衛大女子学生、女スパイ呼ばわり』の記事を拝読させていただきました。
思わず、涙が泉のように溢れだしました。このいくつか苦難の日々は悔しさ、驚き、怖さの中とどうにもできない自分の無力さを感じながら、眠れない、食べれない、二十歳の娘を思う胸の痛み、言葉で表現できない脱力感とともに過ごしてきました。(中略)
私は日本には良識方々が絶対多い、日本には正義がきっとあると信じていて、本当に間違いなかったと思います。(中略)
娘は日本生まれ日本育ち、0歳から日本の保育所に預けて以来、日本の小学校、中学校、高校を経て、今の防衛大学校に進学しました。(中略)
すべては無実です。週刊新潮は発表する前に私が借りたアパートの場所さえ分からないにも関わらず、『不特定多数の人物が出入り、教官が出入り』と捏造しました。
娘や息子を持つ親なら、きっと私の苦しみがお分かり、本当に許し固いことです。(中略)今のこんな雰囲気のなかで、あなたは冷静の目で判断して頂き、公正公平に記事を書いてくださって、本当に勇気がある行動です。心から、どうもありがとうございました。
私のような中国の国籍を辞め、日本を愛し、日本の社会に生きていく決心した帰化の人は多数います。こんな帰化の人たちに二度と私の苦しみを味わわないように頑張りたいと思っております」
私も経験があるが、事実でないことも1度活字になると、それを覆すことは容易ではない。「お前がそんなことをしないことはわかっている。でも、○○が書くんだから何かあったんだろう」と友人からも疑うような顔をされる。事実でないことを「証明する」ことがどんなに大変なことか、当事者になって初めてわかる。
私は防衛大生の彼女が全く潔白かどうか、証明する何ものも持ってはいない。母親は「この事件の詳細な記録をしている。興味があれば提供するつもりがある」と書いてきている。私は、週刊誌はいい加減なことばかり書くとは思ってはいない。だが、中国から帰化した母親の娘が防衛大学にいて、教授や先輩たちとよく自宅で会っている。それだけの「根拠」でスパイかもしれないと書かれたのでは、当事者たちはたまったものではない。
私は母親側のいい分を含めて、この「事件」を調べてみたいと思っている。進展があったらこの欄を借りて報告したい。