週刊新潮記事「中国女スパイの防大生」の母親からメール!「日本には正義あると信じています」
7月11日のこの欄で、防衛大学校の学生に「中国の女スパイ」が入り込んでいるという『週刊新潮』の記事を取り上げた。もう一度紹介してみよう。
参院の決算委員会で和田政宗参院議員がこの問題を質問したというのだから、そうとう確度の高い情報なのだろうと読み始めた。この女子学生は大学の外に部屋を借り、中国へ無断渡航しているため、自衛隊の機密情報を中国側に流している可能性があるというのだ。公安警察の関係者が、この女子学生は3年生で、3歳の時に中国から両親や兄とともに日本へ来て帰化している人間だと話している。
兄も自衛官だそうだが、この程度の個人情報を調べずに防衛大側が彼女を入学させたとはとても思えないのだが。アパートに優秀な学生や防大の幹部が出入りしている姿が確認されていて、学内に中国シンパを増やそうとしているのではないかと『邪推』しているが、週刊新潮も<いくら防大生とはいえ、自衛隊の機密情報を手に入れることは、ほぼ不可能に近かったと見られている>と書かざるを得ないように、噂程度の情報ではないのか。
しかし、諦めきれない週刊新潮は、この学生が大学を出て順調にキャリアを重ねれば、そうした機密情報を手に入れられる立場になると仮定の話に持っていき、週刊誌お得意の「だとすれば」中国がこの女子学生を防大に送り込んだ目的は何だったのかと、強引すぎる方向へ持っていくのだ。
日本語の不自由な彼女の母親が、娘は中国にいる88歳のお祖母ちゃんに会いにいっただけで、日本で頑張っていきたいから帰化したのだから、国会質問されてから心を痛めていると話しているが、心中察するにあまりある。
週刊新潮が取材すべきは、防衛大学は彼女が中国から日本に帰化したことを本当に知らなかったのかということではないか。それほどルーズであるならば、中国からのスパイなど簡単に入り込むことができ、いまは防衛省の幹部になっている人間もいるかもしれないではないか。
これを読む限り、帰化した人間というだけで疑われているとしか思えない。彼女の肩を持つわけではないが、これでは立つ瀬がなかろう。