「理研はクビにもしてくれない」母親に愚痴ってた笹井芳樹氏…野依理事長ら幹部の退任ないのか!

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   今週は合併号休みで『週刊朝日』と『AERA』しか発売されていない。きのう週刊朝日の元編集長から聞いたところによると、週刊朝日の現在の実売は6万部ぐらいだそうだ。比較的広告が堅調なようだから、休刊の声はまだ出てないようだが、危険水域であることは間違いない。

   その週刊朝日に笹井芳樹氏の自殺について比較的詳しく載っているので紹介しておこう。大阪府内に住む笹井氏の母親の知人女性がこう明かしている。<「芳樹君が亡くなる3日前、お母様と電話でお話ししました。その時、『芳樹がどこにいるか、居場所がわからなくなっていて、家族で探し回っていた』と、困惑されていました。大丈夫ですか、と尋ねると、お母様は『(医師の)兄さんが"無事か"と出したメールに芳樹から"元気ではないけど、生きています"という返事がとりあえず来たので安心した』と」>

   またこうもいっていたという。

<「あの子は、週刊誌などに書かれた小保方さんとの仲などについて、『あんなことは絶対ないから信じてほしい』と言っていた。理研について、『クビにするならしてくれればいいのに。アメリカで研究したいのに、なかなか切ってくれない』と愚痴をこぼしていた」>

   笹井氏の遺書の内容については理研関係者がこう語る。

<「『小保方さん』と手書きされた封筒入りで、パソコンで作成された文書でした。『1人戦っている小保方さんを置いて、先立つのは、私の弱さと甘さのせいです。あなたのせいではありません。自分のことを責めないでください。絶対、STAP細胞を再現してください。それが済んだら新しい人生を一歩ずつ歩みなおしてください』などと、彼女を気遣うような内容でした」>

   笹井氏は最後までSTAP細胞の存在を信じていたようだ。

   竹市雅俊センター長によると、笹井氏は10日ほど前から見た目にも体調が悪い様子だったという。<「研究室のスタッフから、会話がほとんどできない状態でケアする必要があると聞いていました。思い悩んで自殺してもおかしくない、そういう状態でした」>

   騒動発覚後の3月(2014年)には体調を崩して心療内科を受診し、約1か月間入院していたという笹井氏だが、その時点で副センター長を辞任したいと申し出ていたという。だが、<「懲戒委員会が続いているし、STAP問題がクリアになるまで、もう少し我慢してほしいと思い、辞表を受け取るに至らなかった」(竹市センター長)>

   亡くなる前まで笹井氏は、母親だけでなく親しい研究者にも「もうやめたい」と話していた。一方で研究室が解体され、スタッフが職を失うのが心配だとも語り苦悩していたという。

   前回ここでも書いたが、四面楚歌に陥った笹井氏を最後に追い詰めたのは、7月27日に放送されたNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」だったという指摘があると週刊朝日も書いている。

   理研関係者が、笹井氏は放送後かなり滅入っていて、あれが引き金だったんじゃないかと語っている。理研改革委員長の岸輝雄・東大名誉教授はこう指弾する。

<「こうした事態を招いた理研の責任は重い。一連の提言は野依良治理事長が決断すればすぐに実行できたはずなのですが、あまりにも対応が遅かった。組織を守る気持ちはわかりますが、ある種の怠慢であり、謙虚さに欠けていたと感じざるをえません。もはや理事長も含めた幹部の退任まで考えないと、世間は納得しないのではないでしょうか」>

   『ネイチャー』や世界最高峰の学術雑誌『セル』は相次いで笹井氏の死を悼む声明を発表したそうである。日本科学界の寵児の死は計り知れない損失を与えたことは間違いない。

アベノミクス直撃!秋にブラックマンデー再来か?米景気はバブル破裂寸前

   もう1本、週刊朝日から。「今秋にブラックマンデー再来か」と報じている。8月7日、米国のダウン工業株平均は1万6368ドル37セントと約3か月ぶりの安値をつけた。これにつられて、8日の日経平均株価も500円近く下げ、約2か月ぶりの安値に沈んだのだ(8月14日1時13分時点では1万5323円88銭)。

   しかし、米国の景気は好調なはずだ。自動車や住宅販売が伸び、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は年率で前期比4%増。景気の好調さを判断する指標である雇用統計も7月は前月比20万9000人増と、20万人の大台を6か月連続で超えているのだ。これは97年以来のことだそうだ。また、新規に上場する企業も増加傾向で、ITバブルが真っ盛りの2000年以来の盛況だという。

   好景気を表すように7月3日、ダウ平均は1万7000ドルを超え、史上最高値を更新し「米国の景気は強い」。そう誰もが信じていた。だが、たった1か月で相場の雰囲気は一変しつつあると週刊朝日は書いている。衝撃データがあるという。

<本当の経済活動を表すといわれるエネルギー消費量と株価の関係性である。
   富国生命株式部参与の市岡繁男氏がこう解説する。
   「過去のデータをみると、エネルギー消費量と株価の動きは表裏一体でした。なのに、金融緩和が本格化した12年以降の株価は、実体経済から乖離したものになっているのです」
   グラフを見ると一目瞭然だ。近年、株価だけが一直線に上昇していることがわかる。この乖離率は、95年以降で最大規模だ。米国の実体経済と株価が完全にかけ離れ、ジャブジャブなバブル状態であることを示すものだ>(週刊朝日)

   ブラックマンデーの再来も考えられるという。<「貧富の格差のひどい米国社会では、ピストルが急激に売れています。とある米国のピスル会社の現在の売上高は1億7千万ドル(170億円)と、08年のリーマンショックから5年間で3倍に跳ね上がりました。過去最高の水準です」(前出の市岡氏)>

   経済が崩壊すれば、米国の闇の部分が一気に吹き出すから、治安の悪化は必至。そのために銃が売れているというのである。

   そうなれば日本への影響も当然ある。リーマンショックの時、当初は限定的だと考えられていたが、怒涛のような株安が日本を襲ったことは記憶に新しい。米国でまたバブルが崩壊すれば、アベノミクスで回復した企業業績も悪化し、給料も伸び悩む。それに加えて、当時と違って消費増税などの税金負担も増えているから<無傷でいるのは不可能に近い>と週刊朝日はいう。

   安倍首相がいくらジャブジャブ株式市場にカネを注ぎ込んでも、株価は狙い通りに上がってはいない。そのうえアメリカの株が大暴落したら日本は沈没しかねない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

姉妹サイト