豪雨による増水で母子3人が死亡した神奈川県のキャンプ場運営業者がきのう13日(2014年8月)、県土木事務所の事情聴取を受けた。渓流の中州を勝手に造成した経緯を問われたのだが、事故のあと初めて報道陣の前に姿を見せた会社幹部は、問いかけに一切答えず平然と立ち去った。相当な神経だ。
現場を見に行かず、行政指導に従ったかも確認せず
「3人の死者がでているんですよ」とリポーターの井口成人が怒りをぶつけるが、白髪頭の会社幹部は無言のままだ。取締役だという。松尾貴史(タレント)は「ひょっとして何とも思ってないんじゃないか」と呆れる。
事故が起こったのは今月1日夕方だった。山北町の渓流の中州にあるキャンプ場にいた家族4人が避難する際、車ごと流されて母親と子ども2人が死んだ。中州は運営業者が無断で造成を繰り返し、計6回も県から「是正」の行政指導を受けていたが何もしていなかった。中州は2倍くらいに広げられ、そのぶん川幅が狭められたため、流れが速くなり水かさが高くなった可能性がある。
業者から事情を聞いた県西土木事務所が会見したが、これまたひどい内容だった。中州の形状変更について「業者は重機を入れて作業したが、河川法の許可が必要だと認識してなかった」と追認するような口ぶりで、「中州の危険性を口頭で説明していた」と安全管理に問題はなかったという。また、計画建築部長は「過去6回の行政指導はすべて是正されていた」と話す。
井口が「元に戻ってないのに是正となってる。なぜいままで放置してきたんですか」と食い下がると、部長は「周りの方からの(是正されてないという)話についても事実確認ができておりません。今後調査します」とスッとぼける。現地をまったく見ていないということだ。
さらに、「河川法にいう川の機能が失われていたかとなりますと、そうではないんじゃないかと」という。そりゃあ、川は流れていただろう。じゃあ、行政指導は何なんだとなる。井口が「原状回復がおざなりだったのではないですか」と質問するが、答えは「改変の事実が分かれば元通りにしていただく。いま調査中」だった。