万引き犯にホームページで「返さないと顔を公開する」と警告していたフィギュアや漫画本の中古品販売チェーン「まんだらけ」は、タイムリミットの13日午前零時(2014年8月)、写真の公開を中止した。警視庁・中野署の要請を受けてのことだが、犯人は捕まるのか。
警視庁中野署「公開は捜査の妨げになる」と要請
公開をめぐっては、「気持ちはわかる」と肯定するもの、「やりすぎ」「法的には恐喝になる」と反対するものなど、ネットの内外で論議になっていた。警視庁の中止申し入れは「捜査の妨げになる」という理由だった。まんだらけは「顔写真の全面公開を中止させていただきます」というメッセージとともに、犯人の身内の女性から連絡があったなどの経過も載せた。
盗まれたのは「鉄人28号」のブリキのオモチャで、25万円の値段がついていた。防犯カメラに残っていた画像にモザイクをかけたうえで、「1週間以内に返さなければモザイクをはずす」と警告していた。
万引きに悩む書店や商店からは「よくやった」と支持もあったが、法治国家では捜索・逮捕は警察の仕事で、私的な救済は禁止されている。法律的にも「脅迫」か「恐喝未遂(公表されれば既遂)」になり、公開した場合は名誉毀損にもなると批判も出ていた。「まんだらけ」は犯人摘発は警察に委ねることにしたわけだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト