サルの「自分撮り」著作権だれにある?公開のウィキにカメラ所有者が抗議

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   サルが自分でシャッターを押して撮った写真、いわゆる「自分撮り」写真の著作権が問題になっているという。小松靖アナが「著作権は写真の持ち主にあるのか。それともサルにあるのか」と取り上げた。

   写真そのものは滅法面白い。自然に近い状態にカメラをセットし、サルが近寄ってシャッターを押したのだが、不思議そうな顔とちょっと歯を剥き出した表情がまことに愉快だ。

インドネシアのジャングルで近寄ってきたサルがカシャ!

   この写真がネットの百科事典「ウィキペディア」に載った。シャッターを押したのはサルだが、カメラを準備したのはデイビッド・スレイターという写真家だ。そこでウィキペディアに「勝手な掲載は著作権にふれる」と削除を求めた。

   ところが、ウィキペディアはシャッターを押したのがサルであることから、「法律的にも著作権を侵害していない」「写真は削除しない」と要求を拒否した。スレイター氏は「役員会はサルのイメージを取り下げようとしない。私は彼らに対して怒っている」という。

   写真はスレイター氏が2011年、インドネシアで絶滅危惧種のクロザルを3日間追いかけた際に、1匹がカメラを手にとってシャッターを押し始めたことで撮影された。まさに奇跡的なショット、デジタル機器の勝利ともいえるものだった。

   これを2012年、何者かがウィキペディアにアップし、さらに「スレイター氏は著作権を所有していない」と宣伝し始めた。ウィキもこれを「公共のものだ。著作権は人間だけが持つ。動物にはできない」と主張しているという。

   小松アナが大熊裕司弁護士の見解を伝えた。著作権は基本的に「撮った人」にあるが、サルに著作権は発生しない。今回のケースでは「自由に使える」という主張はありえるという。アメリカの法律もほぼこの線だと小松はいう。

カメラマンは「著作権侵害で損失300万円」

   しかし、コメンテーターたちは懐疑的だ。青木理(ジャーナリスト)は「それはちょっと納得し難いな。そもそもカメラの所有者はカメラマンだし、状況を作った努力もあるでしょ」

   前田典子(モデル)「シャッターを押したのが、たまたまサルだったということですよね」

   石原良純(タレント)「鳥がビデオくわえていっちゃった映像なんてのだってある」

   司会の羽鳥慎一「このままでいくとそうなるでしょうね。撮った人という前提がないですもの」

   小松「これがプリントなら実態があるからスレイターさんのものになります。ネット上のデータなので所有権はないんだということです」

   そんなことはあるまい。電子データだって立派に実態はある。いまはほとんどの写真家が画面にコピーライトを明示しているのはそのためだ。

   羽鳥「払うことになると?」

   小松「300万円くらいの損失といっています。唯一、著作権が認められるのは、サルにシャッターの押し方を教えたことが明白な場合」(笑い)

   石原「サルが見ていて覚えたんだろう」

   ウィキの主張が通るようなら、ネットは無法地帯となる。すでにそれに近いけどね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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