カナダ・モントリオールで行われた「ファンタジア国際映画祭」で、日本人が最優秀主演男優賞と女優賞をダブル受賞した。男優は時代劇で斬ら役一筋の福本清三(71)の初の主演作。女優はお笑いの森三中の大島美幸(34)が男の役で受賞とややこしいが、ともに「らしくない」ところがなんともいい。
<福本清三>斬られ役55年で初の主演!「時代劇に元気取り戻したい」
福本は「5万回切られた男」で知られるが、役者人生55年目にして初の主演作品「太秦(うずまさ)ライムライト」で斬られ役の主人公を演じた。共演の松方弘樹との「また斬らせてくれるか」「お願いします」はいつものやりとりらしい。松方にきっちりと斬られるのだが、この映画では主役は福本だ。
福本は「仲間たちに支えられたに過ぎない私が主演男優賞とは信じられません」とあくまで謙虚である。「なにかの間違いのように思われ落ち着かない。出演者全員でいただいたものと受け止めております」
「モーニングバード!」は6月(2014年)に、「人物大辞典」で取りあげていた。舞台挨拶でも「この顔で何もできないボクが主役だとはとんでもない話で…」 といい、松方弘樹(72)も「できるだけ(セリフは)1行くらいでと、めちゃくちゃシャイなんですよ」と話す。
本人は低迷する時代劇に元気をという思いを込めたという。その思いが通じたか、作品も最優秀作品賞「シュバル・ノワール」を受賞した。この映画祭では初、日本人受賞も初。映画祭歴代最年長というおまけもついた。
<大島美幸>32歳の恋するおっさん役「男役なのに女優賞。なんか不思議です」
女優賞の大島は「福福荘の福ちゃん」で32歳の恋するおっさんの役を演じた。頭も丸坊主にした。受賞の知らせに「びっくりしすぎて笑ってしまいました。本当にありがとうございました。男役なのに女優賞。なんか不思議です」とコメントを寄せた。
石原良純(タレント)「ボクは10回くらい斬ってます」といいだした。「殺陣というのは、斬られる人がうまいと、ボクみたいななまくらでもきれいに見えるんです」
前田典子(モデル)「70歳とは思えない機敏な動きですね」
石原「トレーニングされてますからね。全然違う。ここを斬るんだというのもわかるし…」
司会の羽鳥慎一「こういう人が受賞するとは、見てる人は見てるんだなと思いますね」
小松靖アナが「同じ日本人として…」なんて関係ないことを言う。それより、大島美幸の方をもっと取材しておけよ。