作家の村上春樹氏が『アサヒ芸能』の「袋とじ」になっている。表紙にはだいぶ若い村上氏がややトロンとした表情で写り、その下に「『ノルウエーの森』を生んだ『大麻パーティ』を発掘スクープ!」と書いてある。アサ芸と村上春樹という取り合わせは珍しい。きのう7日(2014年8月)も書いたが、世界的に大麻解禁の流れにある中で、いまさら大麻疑惑でもないだろうとは思うが、どういう経緯か見てみよう。
ときは奇しくも『1Q84』ならぬ1984年。『BRUTUS』(マガジンハウス)の取材のために訪れたドイツ・ハンブルクでのことだそうである。撮影兼案内係を務めたのがドイツ人の元フォト・ジャーナリストのペーター・シュナイダー氏で、取材は1か月ほどだったという。
某日、村上氏たちはハンブルクの郊外にある廃駅を利用したクラブを取材することになった。現地のコーディネーターがアレンジしたもので、当初はカメラマンだけが出向くという話だったが、村上氏も同行したいといい出した。しかし、現地へ行ってみると、運悪くリニューアル中で見学させてもらえず帰ろうとしたところ、クラブのオーナーであるドイツ人妻が自分の家に寄っていかないかといってくれたので、4人が寄せてもらったという。
最初はビールで乾杯し、当初はクラブ経営のことなどが話題に上っていたが、やがてオーナーがこう切り出した。「よかったら一服やらないか?」
この一服はタバコではなくマリファナのことである。当時、ドイツでも大麻は違法だったが、クラブ経営者など業界人が自宅でマリファナやハッシシ(大麻を固めた合成樹脂)をプライベートに楽しむのは日常茶飯事だったという。
通訳が村上氏に伝えると、村上氏は事もなげにこう答えた。
「ええ、大麻なら、僕は好きですよ」
そのときシュナイダー氏が撮影した写真が「袋とじ」の中にある。彼がフイルムを整理していたところ出てきたのだそうだ。それまで、その日本人がノーベル文学賞候補にまでなった村上春樹と同一人物だったとは気がつかなかったという。シュナイダー氏はなぜ今になってこのことを公表しようと思ったのか。
<「別に彼を落としめようとか、批判しようとかという気持ちはない。彼の作品にはマリファナを扱う描写も出てくるし、本人もマリファナ好きを公言してるのはファンなら知っている。その彼が若い時にこのようにマリファナを楽しんだということを彼の『ファン』も知りたいと思ったからだ」>
たしかに、その経験は彼の作品に存分に生かされている。10年に発表された『1Q84』の中で、主人公、天吾は父の入院先である病院の看護師たちとパーティーをやった後、その中でいちばん若い女性である安達クミにマリファナを勧められる。その感覚をこう表現している。
<秘密のスイッチをオンにするようなかちんという音が耳元で聞こえ、それから、天吾の頭の中で何かがとろりと揺れた。まるで粥を入れたお椀を斜めに傾けたときのような感じだ。脳みそが揺れているんだ、と、天吾は思った。それは、天吾にとって初めての体験だった~脳みそをひとつの物質として感じること。その粘度を体感すること。フクロウの深い声が耳から入って、その粥の中に混じり、隙間なく溶け込んでいった>
『うずまき猫のみつけかた』の中でも、村上氏はマリファナについてこう書いている。<経験的にいって、マリファナというのは煙草なんかよりも遙かに害が少ない。煙草と違って中毒性もない。だからマリファナをちょっと吸ったぐらいで、まるで犯罪者みたいに袋叩きにあうなんていう日本の社会的風潮は、まったく筋が通らないのではないか>
これだけマリファナ擁護論を展開しているのに、アサ芸が村上春樹事務所に事実関係を確認すると、事務所から連絡を受けたという都築響一という編集者が出てきて、「取材旅行中、僕は常に村上さんと一緒に行動していたので、こちらの知らない場所で大麻というのは、写真を含めてありえないかと思います」と答えている。常にいたという都築氏の姿はシュナイダー氏の写真の中には発見できなかったとアサ芸は書いている。
われわれが若い時代はマリファナやハッシシ、LSDなどは簡単に手に入り、新宿の喫茶店「風月堂」はそうした連中の溜まり場であったし、罪悪感などなかった。だから大麻を解禁してもいいとは私は思わないが、大作家になると、こうした過去の微笑ましい外国での経験でも認めるわけにはいかないのだろうか。窮屈なものだ。
本当にいい会社どこだ?「就職ランキング200社」上位はやっぱり航空、商社、銀行
『週刊ポスト』の「『就職ランキング200社』給与と学歴の秘密がわかった」が"意外"におもしろかった。よくある企画だが、今回、週刊ポストは学生に幅広く指示される楽天の「みんなの就職活動日記」調査による新卒就職人気企業ランキングに、「年収」「初任給」「文系・理系、男女別採用人数」「大学別採用人数」を加えてランキング作りをしたら、日本の主要企業の現状が見えてきたという。
まずはTOP10を見てみよう。1位から全日本空輸、電通、JTBグループ、日本航空、三菱東京UFJ、博報堂、伊藤忠商事、オリエンタルランド、三井住友銀行、資生堂と並ぶ。
初任給のいいのは上位16位のニトリの23万4000円。63位の講談社の25万8260円。67位の集英社の26万2300円。76位の読売新聞の25万9000円。118位のTBSテレビの25万円。123位の小学館が26万300円だが、31位の楽天は30万円、128位のマイナビは27万7108円、サイバーエージェントは年俸制だが408万円と、IT企業の高いのが目立つ。
ざっと見る限り、航空、商社、銀行が上位を占め、ファーストリテイリング(ユニクロ)が200位までに入っていないのが目立つ。
中森明菜、安室奈美恵…一世風靡した歌姫たちの波乱万丈!復帰準備や事務所独立
『週刊文春』の合併号は盛りだくさんである。まずは中森明菜と安室奈美恵について。中森ももう49歳。何度も復帰するという情報が流れては消え、もう絶望ではないかと見られているようだが、事務所によると<「復帰に向けて強い意欲を見せていますが、体調を見つつ、一歩一歩作業を進めているところです」(ユニバーサルミュージック担当者)>
私は彼女のファンではないが、彼女の波乱に富んだ男遍歴には興味がある。絶頂期のジャーニーズ事務所の近藤真彦との熱愛、明菜の自殺未遂、そして近藤との別れは覚えている。フアン離れを心配したジャーニーズ事務所が猛反対したため、明菜は絶望して近藤の部屋の浴室で手を切った。自殺未遂の5か月前、近藤がニューヨークで松田聖子と密会していることが写真誌に撮られたことも引き金になったのではといわれているそうだ。
近藤と別れた明菜が交際するようになったのが、個人事務所の副社長になりマネージャーとしても彼女を長年支えてきた江田敏明氏だという。しかし、彼には妻子があり「不倫関係」だった。江田氏がいうには、明菜には強い結婚願望があり、料理もうまいという。
明菜の現在の彼氏は4歳年下の男性で、恋人兼マネージャーを務めているそうだ。一世を風靡した歌姫の人生は波瀾万丈だが、元気な姿を見るのはもう少し先になりそうである。
同じように波瀾万丈、ジェットコースターのような人生を歩んでいるのが安室奈美恵(36)である。ダンサーのSAMとのできちゃった婚。母親がひき殺されるという痛ましい事件。彼女を発掘して育ててくれたライジングプロが3年間で25億円の所得隠しをしていたことが発覚、平社長は逮捕されて2年あまりの実刑を受けた。そしてSAMとの離婚。
その安室が今度は所属しているプロダクションからの独立を発表し、平氏らとの間で揉めているというのである。この独立騒動の裏には男の影があると週刊文春は書いているが、それはともかく、松田聖子もそうだが、歌姫たちの人生は誰も順風満帆とはいかないようだ。
たけし「100億円離婚」やっぱり本気?「珍しくムキになって否定する怪しさ」
週刊文春のワイドを駆け足で紹介する。薬物疑惑の清原和博だが、テレビ各局から出入り禁止を受けているため深刻な金欠に陥っているようだ。週刊文春も報じた氷川きよしのホモ報道だが、影響は大きかったようだ。10月に武道館で「デビュー十五周年記念コンサート」をやるそうだが、チケットの売り上げが芳しくないという。女性ファンの「理想の息子」がホモセクハラではね…。
やはり週刊文春が報じた、妻に慰謝料100億円払ってでも離婚すると周囲に語っていたというビートたけし(67)だが、たけしの友人が「たけしさんがムキになって否定するのを見て、かえって『やっぱり本気だったんだ』という雰囲気になっています」といっている。もう歳なんだから早くしないと、加藤茶みたいになっちゃうぞ。
『フライデー』に不倫別居を暴かれたお笑い芸人の浜田雅功のその後。不倫相手はめでたく事務所から首を切られ、芸能界を引退させられたという。浜田は妻に一生頭が上がらない。不倫の代償は高くついたようだ。
個人情報流出で窮地に立たされているベネッセの原田泳幸社長だが、ネットでは「疫病神」と揶揄され、すばらしい成果を上げたといわれるマクドナルド社長時代についても、売り上げが上がったのはフランチャイズを増やしたことで、店舗の売却益を営業外利益ではなく売上高に計上したから、対前年比で業績を伸ばしただけだという批判の声が出ていると、週刊文春が報じている。
たしかに、情報管理はもちろんのこと、その後の苦情処理まで派遣に頼むなど対応のお粗末さを見ていると、この人物が優秀な経営者だとはとても思えない。
吉永小百合「袋とじミニ写真集」の残念!表紙をしのぐカットがない
このところ江角マキコ(47)なる女優が週刊誌を賑わせているようだが、真偽の程はどうなのか。江角は実業団のバレーボール選手から女優になり、「ショムニ」というドラマでブレークした。いまはフジテレビの社員と結婚して2人の子供がいるという。
『週刊新潮』によると、江角がブログで「青学の幼稚園に通っている長女のママ友からいじめを受けた」と書いたことに、母親たちから反論の火の手が上がっているというのだ。肩掛けカバンは体に悪いから全校生徒をランドセルにするべきだと理事長に手紙を書いたり、先生に向かっても強い口調でいいたいことをいうというのである。それぐらいでとは思うが、テレビでも最近、傲慢だというイメージがついていると芸能ジャーナリストの平林雄一氏が語っている。
いっそ、江角にこれ以上ないという傲慢で嫌な性格の女をやらせてみたらいい。地でいけるから視聴率が取れると思うがね。
今週の「おまけ」は週刊ポストの袋とじ「吉永小百合ミニ写真集」。合併号だから、週刊現代、週刊ポストともにグラビアに工夫を凝らそうとしているが、あまり成功しているとはいいがたい。
皮肉なことに(私が長年のサユリストだということが大きいが)、シンプルな週刊ポストの袋とじが一番新鮮に見えた。開いて見るとわかるが、小百合の女優デビュー55周年映画「不思議な岬の物語」が10月に封切られる。そのパブ写真集である。
前半には若い頃の輝いていた小百合の写真が並ぶ。ため息が出るほどいい。残念なのは袋とじの表紙の小百合が一番よくて、それを凌ぐ写真がないことだ。さらに年月は残酷である。後半に現在の小百合のお姿があるが、どこにでもいる隣のおばあちゃん、よくいってもおばさんである。
私は由緒正しいサユリストだから、そうしたものも含めて丸ごと彼女を愛せるが、正直にいえば、この映画のスチール写真はもっと少なくてよかったのではないだろうか。