瀬戸内海の無人島をなぜか外国人が次々と訪れる。1日に100人。オーストラリア、メキシコ、台湾からとさまざまだ。ええ、なんで? その島の名は大久野島と聞いて、「あの毒ガスの?」と分かる人は少ないか…。いまはウサギの島として知られているのだ。
外国人たちはウサギに囲まれ、寝転んで体や顔にまでよじ登ってくるウサギにうっとりだ。むくつけきひげ面の男性がウサギを抱いて「ベリー キュート」なんて喜んでいる。
ネットで動画流れ有名に…
広島市内から電車とフェリーを乗り継いで約1時間半。外周わずか4.3キロの無人島である。といっても、瀬戸内海国立公園の中だから休暇村がある。そこにいま700匹以上のウサギが自然のままに生きている。ウサギの楽園だ。
休暇村の職員は「(外国人は)今年(2014年)の春くらいから急に増えてきた感じです」という。きっかけはネットに流れた動画だった。女性がひとり道路を小走りにやってくる。と、その後を何十匹というウサギが追いかけてくる。立ち止まった女性をウサギがぐるりと囲む。うん、たしかにこれは話題になった。見たことがある。
かつては「毒ガス製造の島」実験動物が生き残り繁殖
第2次世界大戦中、大久野島には陸軍の毒ガス製造工場があって、機密上、地図からも消されていた。建物の一部が当時のまま残されているが、その歴史は毒ガス島歴史研究所で見ることもできる。実はウサギはこの歴史に関係があった。
毒ガス工場では実験用にウサギを飼っていた。研究所の山内正之・事務局長は「ウサギが檻から出されるときは(実験で)死ぬときだった。ウサギの楽園も平和のお陰」という。実験動物の末裔と他から連れて来て島に放されたのとがいるらしい。
外国人観光客たちも「毒ガスの歴史も知ってる」という。多くは広島の原爆ドームとセットで観光しているそうだ。
司会の羽鳥慎一「実験動物だったんですね。映像を見てると平和に見えますが」
赤江珠緒キャスター「そんな歴史があったんですね」
吉永みち子(作家)「(外国の人は)ウサギ好きが多いんですかね」
羽鳥「ウサギも相当観光客慣れしてる(笑い)。これでどんどん人が来て、エサをあげたらどんどん増えちゃうんじゃないの」
たしかにそれが心配だ。日本人は来るとなったら一気に来るからね。自然の草だけで生きていさせようよ。