地方議会の政務活動費に「モーニングバード!」がしつこく迫る。今度は東京都議会だ。タクシーの領収書が840枚とか、駐車時間が4分の「調査とは?」など、まことに細かいお話だが、問題はむしろ「すべてが規則の範囲内」という点だ。都民が関心をもたないと、おかしさもわからない。
セクハラヤジの鈴木章浩都議「1日で意見交換会6か所はしご」
リポーターの高村智庸が膨大な政治資金報告書をひっくりかえして、おかしなものを見つけては本人に聞いて歩く。都議会は第三者機関によるチェックがある(4都道府県のみ)から、兵庫県みたいなものは出てこなかったようだが、それでも首を傾げるようなものはあった。
・タクシーの領収書840枚(公明・吉倉正美氏)
・4分200円の駐車料金に「少年スポーツ調査」(民主・中山寛進氏)
・スキヤキ弁当2100円×39人=8万1900円(自民党都議団会合)。弁当代は1人1回3000円まで認められている。
・1日で意見交換会6か所はしご(例のセクハラヤジ問題の鈴木章浩氏)。意見交換会、情報収集では1回1万円まで出る。
まあ、細かい話ばかりだが、これを高村が聞く。吉倉都議のタクシー使用は「足を骨折していたため」。中山都議は「資料を届けた」。自民都議団の弁当代は規則の範囲内だが、当時の幹事長は面会を拒否。鈴木都議には面会できず。
どれもルールを外れてはいないが、街の声は「(2100円の弁当は)民間なら稟議が必要でしょうね」。タクシーの使用だって企業は相当シビアだ。意見交換会は鈴木氏にかぎらないが、要するに新年のあいさつ回りで、その会費が5000円から1万円。これって選挙運動じゃないの?
政務活動、政治活動、個人の財布の区別なし
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「税金なんだから金額の問題じゃないですよ。重箱の隅を突つくといわれるかもしれないが、小さなことを見つめるのが大事なんですよ」
飯田泰之(明治大准教授)は「こんなものが全部規則内というのが問題ですよ」という。政治とカネの問題に詳しい岩井奉信・日大教授は「東京都は厳しい方だということになっています。それでもこういうことがまかり通っているのです」
赤江珠緒キャスター「新年会出席は政治活動でしょうが、政務活動なんですか?」
岩井「選挙活動の一環でしょう。本来、政務とは議会活動と政策づくりのはずですが、政務活動と政治活動と個人行動とが区別がないんです。なんでも理由がつく。あるから使っちゃう」
司会の羽鳥慎一「国会より甘いですかね」
岩井「甘いですね。有権者も関心がない。都道府県議会は投票率も低いですから」
岩井教授は第三者機関によるチェックの必要をあげたが、「議員に必要だといわれたら仕方がないという面がある」。そこで次なる手は「領収書のネット公開」だという。函館市議会はすでにやっているそうだ。
羽鳥「月60万円(東京都)は使い切れないのではないですか」
岩井「都議は議員給与から全部合わせると2400万円にはなるんですからね。政務調査費を考え直すいいチャンスではないですか」