サラリーマンの普通のオジサンが社長命令で、大学に入り直し、応援団長をやれと言われたら? しかも従わなければリストラだと言われたら? やっぱりやらざるを得ないんだろうな。まして、応援団を立て直したあかつきには会社に戻すと約束されたらね。
中堅商社の50歳サラリーマン―社長命令で応援団長!嫌なら会社クビ
50歳の中堅商社社員・藤巻(柳葉敏郎)が命じられたのは、社長(西田敏行)の母校・世田谷商科大学の応援団長となることである。応援団は、たった1人いた部員の卒業によって廃部の危機に瀕しているのだ。昔はバンカラ学校だったらしい世田商大も、地元の砧(きぬた)女子大と合併し、いまや大学名も翌檜(あすなろ)大学となっている。女子優勢となり、応援部に入ろうなどという硬派志向の男子はいなくなってしまったのだ。
しかたなく、藤巻は翌檜大学に入学、応援団特有のやけに襟が高くて丈の長い学ランを着て通学することとなる。なにせ、常に学ランを着用すべしというのが応援団の掟なのだ。
こんなバカバカしい設定、今までだったら「ないない」と笑えただろう。だが最近、ヒョンなことから大学運動部や応援部OBのオジサンたちと知り合いになって、その母校愛の強さに驚いた。彼らはそれなりに人生成功組で、どちらかと言えば、このドラマの「社長」に近い。もちろん良識はあるからドラマのようなことはないが、きっと社長の気持ちはわかるだろう。
先輩たちから指導を命じられたOBの元団長・斎藤(反町隆史)と元副団長・山下(ほんこん)がいい。やっぱり反町隆史はカッコいいなあ。しばらく姿を見なかったし、今回、主役でもないけど、しっかり体を張って演じている。一瞬、ギバちゃん(柳葉敏郎)と反町のキャスティングが逆だったら、と考えてみたけど、反町ではカッコ良すぎちゃってサラリーマンの悲哀が出ないかな。また、山下の「スポーツ選手はそれぞれの技術や能力を以て戦う。何の技術も能力もないわれわれ応援団はひたすら誠心誠意応援させてもらうしかない」という言葉にはちょっと心打たれた。