神奈川県山北町のキャンプ場で親子が車ごと流された事故は、中州にテントを張ることがそもそも危険なのだが、そこを「アドベンチャーゾーン」などと名付けて4輪駆動車に限って渡らせていた運営業者の責任は重い。しかも、業者は神奈川県の土木事務所などから再三にわたって指導を受けていたにもかかわらず川を埋め、流れを細くしていた。これでは大雨が降ったらたちまち増水して濁流になるのは当たり前である。
普段は足首程度の水深が事故時は85センチ
死亡したのは会社経営者の大森慎也さん(43)の妻・ルミさん(42歳)、長女の舞奈ちゃん(9歳)、長男の凱風(7歳)の3人だ。森本さやかレポーターはこう伝える。
「一家は1日(2014年8月)から、一般のキャンプ区域ではなく、車で川を渡った中州にある四輪駆動車専用区域にテントを張りました。午後7時半ごろから急に大粒の雨が降り始め、一般区域内の売店に食料を買いに行っていた父親は売店で避難を勧められ、アドベンチャーゾーンに戻って妻子を車に乗せて再び川を渡ろうとしました。しかし、川に乗り入れた瞬間に濁流に押し流され車は横転。父親は窓を蹴破り子供たちと奥さんを外に出しましたが、その後、姿が見えなくなったそうです」
普段は川の深さは足首程度だが、事故が起きたときに約85センチにもなっていた。
両側の山削ったため鉄砲水
森本「このキャンプ場の運営会社は無許可で中州に土砂を運び入れて、中州を拡張していました。このため、2008年から6回も神奈川県から行政指導を受けていましたが、それでも川の両側にある山を削って、その土を中州に運び入れていました」
司会の小倉智昭「山を削れば川にも影響が出るでしょう」
森本「中州を拡張したことで、川の流れが変わったそうです。さらに、山を削ったことにより斜面が急勾配となり、鉄砲水が生じやすくなりました」
コメンテーターの山本一郎(作家)は「どのような川であれ、中州は危ない。その基本を忘れていたのかも知れないですね」と話す。
小倉「川を甘く見ると怖い目にあう。そのことを今回の事故は教えてくれていますね」
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト