<GODZILLA ゴジラ>
ゴジラファンこれなら納得!着ぐるみ感いっぱいの「これこそ怪獣」畏怖の念抱かせる咆哮も復活

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(C) 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC
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   言わずと知れた日本怪獣映画の傑作「ゴジラ」をハリウッドが再リメイクした。監督は「モンスターズ 地球外生命体」で斬新な切り口で怪獣を描いたギャレス・エドワーズだ。突如として現れた巨大生物ムートーとゴジラの戦い、そして彼らの討伐に挑む人間たちの姿を壮大なスケールで描いた。

原発事故に隠された政府の陰謀

   1999年、日本の雀路羅(ジャンジラ)市の原発に勤務するアメリカン人研究者ジョー(ブライアン・クランストン)は、謎の電磁波と震動を探知した。これにより異常をきたし始めた炉心を調査するため、同じ原発に勤務する妻のサンドラ(ジュリエット・ビノシュ)が原子炉に向かったが、奇怪な鳴き声とともに大きな揺れが起こり原発は倒壊する。その事故でサンドラは帰らぬ人となった。

   それから15年後の2014年。日本に残り、事故原因を独自に検証していたジョーは、政府が何かを隠ぺいしていることに気づく。その裏付けをとるため、息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)と放射能の影響で退避区域に指定されていたジャンジラ市の実家へ行き、当時のデータを回収する。ところが、パトロールが現れ拘束され研究施設に連行されてしまう。そこで二人が目にしたのは、今にも何かが生まれてきそうな巨大な繭だった。

劇場の大スクリーン、高音質スピーカーで見てほしい

   1998年にハリウッドで製作されたローランド・エメリッヒ版「GODZILLA」は、ゴジラのキャラクター性がオリジナルと大きく逸脱していたため多くのゴジラファンを失望させた。それに比べ、ギャレス・エドワーズ版は製作者たちのゴジラ愛が溢れた、ファンも納得の作品といえるだろう。

   ゴジラが放射能による怪物であるというルーツを明確に示すなど、1954年のオリジナル版「ゴジラ」に回帰しながら、現代社会が抱える原発問題にも果敢に切り込み、新たなゴジラ像作りに挑戦している。

   ゴジラは最新鋭のCGによって描かれているが、モーションキャプチャーを採用し、ゴジラのリアルな動きも再現。変な言い方になるが、ここでいうリアルというのは、ゴジラ映画らしい「着ぐるみ」感だ。やはり、ゴジラは中に人が入っているような動きをして欲しいし、その着ぐるみ感を出してこそ怪獣映画なのだ。

   また、人間の目から見た巨大怪獣を映すことにこだわり、ゴジラの全体像をなかなか映さないという演出は臨場感を与えていた。音響マンの傑作と言われるゴジラの咆哮は、全体像が見えないからこそ、そして敵なのか味方なのか分からないからこそ恐怖を越えて畏怖の念をも抱かせる。人間ドラマという点でみれば細かい設定に強引さは見受けられるが、ゴジラとムートーの戦いはそれを補うだけの力強さがある。絶対に劇場の大スクリーン、高音質スピーカーでの鑑賞をおススメする!

野崎芳史

おススメ度☆☆☆☆

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