セウォル号オーナー怪死でも国民納得させられない朴槿恵大統領の窮状
沈没した韓国船「セウォル号」オーナー兪会長の死はまだまだ全面解決にはほど遠いほど謎が多い。捜査当局は7月22日、運航会社「清海鎮海運」の実質的オーナー兪容疑者(73)とみられる変死体が見つかったと発表した。
科学捜査研究所はDNA、歯形、指紋などが一致したと発表したが、多くの謎があると週刊文春が報じている。一つ目の謎はこれが本当に兪会長の遺体なのかということだ。兪氏が主宰する宗教団体の信者たちは未だに信じてはいない。
いま一つの謎は未だ死因が不明だということだ。3つ目の謎は遺体の不自然な状況だという。遺体は一部が白骨化し、死因も特定できないほど腐敗していた。兪氏の姿が最後に確認されたのは5月25日。発見までのわずか18日間でこれほどまでに腐敗が進むのだろうか。
4つ目の謎は、会長のものとは思えない品々が遺体付近に残されていたことだ。<「遺留品の中に焼酎、マッコリ、ビーフジャーキーがありました。しかし、彼は酒を一滴も飲まない上に、発見された焼酎は07年に製造が中止されているものです。彼は教団が作った有機農作物やミネラルウォーターしか飲まない健康マニアとして知られており、ビーフジャーキーなど口にするのかも疑問です」(韓国人ジャーナリスト)>
さらに捜査当局の最大の失点は、警察が兪氏の別荘を捜索したとき、彼を取り逃がしたことだ。遺体発見現場から約2.5キロのところにある別荘に潜伏しているという情報をもとに、警察は5月25日、約2時間にわたって部屋の内部を捜索した。だが、その間、壁を偽装して作られた小部屋に隠れていた兪を見つけられなかったのだ。
朴槿恵(パククネ)大統領のリーダーシップの欠如、警察当局の捜査能力の欠如が重なり、韓国の国民が納得する事件解決はまだまだ遠いようである。