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九州電力丸抱えの知事たち―地元にヨウ素剤まで配って「川内原発GOGO!」

   フライデーは原発報道にも熱心である。7月27日、川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)から5キロ圏内に暮らす住民約2500人に、赤い半透明の袋に小分けされた錠剤が一斉に配られたという。<「原発事故が起きたときに甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤です。鹿児島県と市が配りました。原子力規制委員会が7月16日、川内原発に『安全基準クリア』のお墨付きを出して以降、九電と地元自治体が一体となり再稼働への道をひた走っています」(地方紙社会部記者)>

   フライデーによれば、ほとんどの知事が従来から原発推進派であるうえ、九州電力から政治献金や選挙応援を受けている知事が多いという。なかでも鹿児島の伊藤祐一郎知事は、「今の日本のエネルギー状況を見れば、一定の原発は再稼働せざるを得ず、川内原発もその対象だと思う」と12年に述べた推進派の最右翼だ。

   今年6月には、再稼働を急ごうと「(高齢者などの)要援護者の避難計画は10キロまでで充分。30キロまでは現実的じゃない」とした。これは規制委が再稼働の条件としている避難計画を軽視した発言だとフライデーは難じている。

   長崎は造船が盛んな三菱重工の城下町だ。<「飲食店も巨大工場に依存しています。工場にとって電気料金値上げは致命的。中村(法道知事)さんも支持企業のことを考えると、原発に反対はできないでしょう」(九電元社員)>

   大分の広瀬勝貞知事も経産省・資源エネルギー庁出身。原発事故直後の11年6月には、「原発以外の燃料が確保できない場合は厳しい夏になる。安定供給には原発の再稼働も頭に置いている」と発言している。献金、選挙支援でほとんどが九電の丸抱えになっている知事たちは、振り構わず「原発GOGO!」である。

   先日、朝日新聞が関西電力トップたちが札束で歴代総理たちを懐柔してきたことをスクープしたが、電力会社と政治屋たちとの癒着の根は深い。メディアにはもっと力を入れてそこのところを暴いてほしいものである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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