「父親のことは好きで尊敬している。再婚に反対したという事実はない。新しい母が来てくれてうれしい。(殺害した同級生については)愛和と呼ぶくらい仲が良かった」
長崎県佐世保市で同級生を殺害した高校1年の女子生徒(16)が、これまでの報道を一変させる話を接見した弁護士にしていることがわかった。ただ、弁護士によると、女子生徒は被害者である同級生への謝罪の言葉はないという。
電話で助言だけの対応「生徒名が匿名だったため」(センター)
弁護士が31日(2014年7月)に明らかにしたもので、報道がすべて事実無根というわけではないことから、女子生徒の言動の異常さ、矛盾が改めて注目されている。たとえば、父親の再婚を契機に自宅で包丁を振りかざしたり、寝ていた父親を金属バットで襲うなど激しい家庭内暴力があった。父親の知人は「父親が顔を包帯でぐるぐる巻いていて、ケガをした話は聞いていた」「寝ている間に顔をバットで殴られ歯はボロボロになるほどだった」と証言している。
また、女子生徒を診断していた精神科医は事件1か月前の6月、佐世保こども・女性障害者支援センターに女子生徒に関し相談を寄せていたことも分かった。センターの宮崎慶太所長は「相談者は電話で名前を名乗ったが、匿名ということで高校1年生の女子のことで相談がありました。匿名だったために助言を申し上げるにとどまった」という。相談の内容は「小学校の時に薬物混入事件を起こし、中学生になって父親を殴打、小動物を解剖をしている。このままいけば人を殺しかねない」というものだったらしい。
専門家「人を殺す以外に目的がない純粋殺人」
女性生徒の心の動きを単純な物差しではかるのは難しい。専門家による詳細な分析にお任せするしかないのだが、新潟青陵大大学院の碓井真史教授は次のように見る。「もともと、彼女の中に眠っていたコミュニケーションの不器用さ、動物を解剖したいという思いが、母親の死、家庭環境の大きな変化で一気に増幅し膨らんでしまったのでしょう。普通は人を殺す場合、金銭目的とか恨みとかが背景にあるが、今回は人を殺す以外に目的がない純粋殺人ではないでしょうか」
司会の小倉智昭「接見した弁護士には『父親を尊敬している』と話しながら、金属バッドで殴打し大ケガを負わしている。仲の良い友だちだけど殺し、腹を裂いた。そのへんが純粋殺人といわれるゆえんなんですかねえ」
佐世保こども・女性障害者支援センターは電話だけでなく、その精神科医に会いに行ってもっと詳しい話を聞くべきだったんじゃないか。