「同級生殺害」加害女生徒は発達障害?知識面は高校生でも情緒的には小学生以下

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酒薔薇聖斗事件といくつもの共通点

   殺された愛和さんの父親は佐世保の第13護衛隊に属する護衛艦「さわぎり」の乗務員。小さい子の面倒見がよく、書道は最高位の十段だったという。

   お嬢さん育ちと公務員の子供という違いはあったが、仲はよかったようだ。週刊新潮でタクシー運転手がこう話している。<「テレビで愛和さんの顔写真を見て思い出したんだけど、春頃に犯行現場のマンション近くの公園で彼女をよく見かけました。ショートヘアの同い年ぐらいの娘さんと2人で本当に仲良さそうにくっついているんです。愛和さんがひざ枕をしたり、ハグしたり『密着』というのでしょうか」>

   A子はボーイッシュなショートカットだった。仲良しの友だちを家に呼び込み、平然と用意していたハンマーで殺してノコギリで首と左手首を切断してしまう。動機を警察に聞かれてA子は「人を殺してみたかった。解体してみたかった」と話しているという。

   週刊新潮で東工大の影山任佐名誉教授(犯罪心理学)はA子をこう分析している。<「私はこの事件を見て、少女Aは発達障害ではないかと疑っています。たとえば、2000年に17歳の高校生が起こした愛知県豊川市の主婦殺害事件では、動機が『殺してみたかったから』というもの。知識の面では高校生レベルでも、情緒的には小学生以下のレベルなのが特徴です。そして、少女Aで注目されるのが、小6のときに起こした異物混入事件です。誰が見てもイタズラの範疇を超えているのに、本人にはその自覚がない。もっと早くにそのサインに気がついて、自分のやったことに向き合わせるべきでした」>

   酒薔薇聖斗事件のときも、母親は教育には熱心なのに、子供の異常行動に気付いていても見て見ぬふりをしていたと報じられている。まして自分の婚活に頭がいっぱいだったA子の父親に、娘の異常行動などわかろうはずがない。

   佐世保市では10年前の事件以降、「命を大切にする教育」を徹底してきたという。しかし、同じような事件が起こってしまったいま、やるべきは、この事件がどうして起きてしまったのかを徹底的に調べて情報公開していくことである。それを全国の子を持つ親たちが共有し、自分の子供を見つめ直すことでしか、こうした犯罪の抑止にはならないはずである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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