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「ジャニーズ六本木騒動」まったくしつけができていない事務所の責任

   このところ『東京スポーツ』や『フライデー』『週刊女性』などで報じられた「ジャニーズ六本木騒動」とはいったい何だったのか。週刊ポストがその被害にあった24歳の女性のインタビューに成功しているが、これを読んでもよくわからない事件である。事件とは、ジャニーズ事務所所属の山下智久(29)と錦戸亮(29)、そして2月に同事務所を退社した赤西仁(30)の3人と若いグループが六本木の路上で小競り合いし、警察沙汰になったというのだ。

   女性の話によれば、彼女の恋人が六本木を歩いていて3人を見つけ、「あっ、赤西君と錦戸君と山下君だ!」と声を出したことに3人が怒り、取り囲まれたという。彼氏はこのままではやばいとスマホで動画を撮り始め、それが彼らをさらに刺激してしまったそうだ。

   動画を消せ消さないのいい合いになり、そのやりとりを彼女が撮影していたが、その携帯を持ち去られてしまったというのだ。彼女は麻布署に行き被害を訴えた。おかしなのは、ジャニーズ事務所が話し合いで解決したいといっていると警察から連絡があって、携帯を持ってきたのは2人の刑事だったという。そして、携帯が戻ってきたのだからもういいでしょと、これで解決とするよう提案したそうだ。

   それに腹を立てた彼女は受け取りにサインすることを拒み、正式に被害届を出したが、週刊ポストが捜査関係者に取材すると、「窃盗ではなく器物損壊容疑で捜査をすすめている」と答えたという。日本大学名誉教授で弁護士の板倉宏氏はこう語る。

<「今回の件は窃盗罪だと私は思います。なぜ器物損壊なのか判断が読めない部分があります。窃盗罪で有罪になれば6か月以下の懲役ですが、おそらく執行猶予が付くでしょう」>

   六本木で飲み回って、気に入らないことがあると取り囲んでチンピラヤクザのような口をきく3人に当然非があるが、相手のほうも血の気が多かったのかもしれない。携帯をかっ払ってくるのがどういう意味をもつのか、そんなことも教えていない事務所の問題点が、ジャニーズJr.森田美勇人のケースもそうだが、ここへきて噴出している。

   警察にも影響力を持つジャニーズ事務所だから、手を回したのかもしれないが、このやり方がそもそもいけない。事務所が付き添って3人を彼女のところへ連れて行き、話し合いをさせればいいのだ。そんなこともできない人間にしてしまった事務所の責任は重いはずだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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