北海道・十勝地方「地域ぐるみで生活・就労支援」20人が退院して自活
退院後の受け皿をどうするかも大きな問題だ。住居と生活、就労支援に地域ぐるみで取り組んでいるのが北海道・十勝地方だ。この10年で6つの病院が病床を4割減らした。どうやったのか。
発案者の精神保健福祉士、門屋充郎さん(68)は「医療者自ら町へ出て患者のための態勢をつくること」という。空き家を探し、生活環境を整え、順応させる。地域住民の懸念に対しては病院のソーシャルワーカーに24時間つながるホットラインを引き、何かあったら直ちに駆けつける。偏見打破の最前線でもある。
ソーシャルワーカーは退院に不安を抱く患者の相談にも乗る。自治体も就労支援やサポーターの養成、さらには助成金を出して後押ししている。 こうしていま20人が自力生活への軌道に乗っているという。
すばらしい地域の総力戦だ。地域ぐるみで動けば、より大きな目で見ることになる。偏見のカベも低くなる。退院患者の集合住宅で「どう?」と声をかけたソーシャルワーカーに、患者が見せた笑顔が印象的だった。「最高です。狭いけど」
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2014年7月24日放送「精神科病床が住居に?長期入院は減らせるか」)
文
ヤンヤン