中国食品工場のずさんな衛生管理から「食の安全」が揺れている。近づくと異臭が漂う加工場、床に放置された原料肉や製品、それを足で踏みつける作業員…。中国テレビ局の映像にはあ然とするばかりだ。「氷山の一角かもしれませんけど、日本では考えられません」と司会の赤江玉緒も驚きを隠せない。食文化の違いはあるだろうが、汚物を食わされてはたまらない。「中国産」の表示ぐらいはきちんとやったらいいのに。
ファミマ、マクドに問い合わせ殺到
「上海福喜食品」からチキンナゲットを輸入していたファミリーマートには問い合わせが相次いでいる。期限切れ食材を使った2商品は販売を中止、全国1万800店に「おわび」が張り出された。マクドナルドにも問い合わせが800件、被害は今のところないという。
マクドナルドは独自にチキンナゲットの箱にQRコードをつけ、携帯電話で読みとれば原産地がわかるようにしたが、外食やテイクアウトの中食に原産地表示の義務はない。街の声は「そこまで気にしていたら何も食べられません」「最近は気にします。子どもには嫌なので」と割れる。1月(2014年)の消費者動向調査では60%以上が気にするという結果が出た。
その不安を増すような実態が中国メディアでも報じられている。ミネラルウォーター工場を取材すると、トイレから水を引きこんでボトルにつめていた。アイスクリーム工場では床に製品が放りだされ素手で扱う作業員もいる。ビーフン工場の製品の中で眠る作業員がいたのにはスタジオもあきれ顔だ。
「ピザやハンバーガーも中国では食品という意識低い」
司会の羽鳥慎一「笑っちゃいけません。驚きを通り越して、これは大変なことです。日本のスーパーに並んでいるのですから」
中国食品を取材するジャーナリストの青沼陽一郎氏は「驚いたのは食品工場にカメラが入ったこと。他にもいろいろ入れるということですから」という。薬物でも毒物でも入り込んでしまうのか。青沼氏は「食文化の違い」をあげる。「ピザやたこ焼き、ハンバーガーはもともと中国にはないので、食品だという意識が浸透していないんです。『なに、これ?』と地方ではわからない人もいます」
飯田泰之(明大准教授)「(中国食材に)日本では対応が分かれているが、取り引き停止が薬になる。強い態度を示すことが必要だと思いますよ」