初回の印象をひと言でいえば、昼ドラの時間を長くしてキャストを豪華にしただけって感じだ。って、昼ドラをあんまり見ないでいうのもナンなんだけど…。
完成披露試写会に一般公募で集まった既婚女性の5人に1人が不倫経験ありと答えたそうだ。しかし、この手の話にはいつもウンザリしてしまう。主婦→不満→不倫という何か主婦―=女を見下したような決めつけを感じるからだ。
「不倫」という言葉自体、嫌いだ。「既婚者の婚姻外性交」では長すぎるし、直接的すぎるからだろうが、同じことがある側面から見れば「恋愛」として美しくも見えるし、別の側面から見れば「コソ泥」みたいに薄汚くも見える。それを承知でする、しないはまったく各自の判断だから、どうでもいい。
タイトルはカトリーヌ・ドヌーブ主演の映画「昼顔」から取ったようだ。見ていないが、たしか裕福な医師の妻が、昼間、娼婦として客をとる話だったと思う。昼間だけ応じるから「昼顔」という源氏名で呼ばれたというわけだ。幼時のトラウマが基になっているとかで、わざと下品な醜い男を選ぶという何だかよくわからないが深そうで、ドヌーブの美しさもあって話題になった。「既婚者の婚姻外性交」という点では同じだが、このドラマとはだいぶ趣(おもむき)がちがう。
上戸彩の不倫願望妻 若くてハツラツし過ぎ!
さて、キャストは、スーパーでパートをしている主婦・紗和が上戸彩。結婚5年、子供ができないのを姑(高畑淳子)にネチネチ言われるが内実はセックスレス。このあたりは最近増えているというケースを映している。上戸彩が少々若すぎ、ハツラツとしすぎているような気がするけど。その紗和をなぜか自分と同じような「不倫の道」に引っ張り込もうとする利佳子が吉瀬美智子。完璧なクールビューティで、まさに悪魔のようなアイスドール。これがだんだん揺らいでゆく様はたしかに見ものかもしれない。
配する2人の男は高校教師の北野(斎藤工)と絵描きの加藤(北村一輝)。最後の方で利佳子の相手として伊藤英明がチラッと出てきたから、「おお、セクシー3人男で勝負するつもりか、チョーゼイタク!」と思ったら、それっきり出てこないみたい。キャストに名前もないし、サプライズの友情出演か。
テーマの関係上、ベッドシーンなども出てくるのだろう。視聴者に主婦層を想定し、上戸彩、吉瀬美智子より斎藤工と北村一輝の裸を売りにしようという魂胆が見える。(木曜よる10時~)
(カモノ・ハシ)