中国・上海の食品会社「上海福喜食品」は、使用期限(日本の消費期限)を大幅に超えた肉を使用してチキンナゲットなどを製造していたことが地元テレビの潜入取材で明らかになった。日本マクドナルドやファミリーマートはこの会社から加工食品を納入して販売していたが、ただちに販売を中止した。
司会の小倉智昭「チキンナゲットを見ると買いたくなるんですが、テレビ映像の肉は青くなっていた。においとか結構あると思うんですがねえ」
真っ青に変色した肉を再包装して「消費期限1年」のラベル張替え
中国中央テレビは記者が6月11日(2014年)に潜入取材して撮影した工場内の映像を流し、「マクドナルドやケンタッキーの卸売業者である上海福喜食品が期限切れの食肉を加工し使用していることがわかりました」と報じた。映像には生産日が5月30日で保存期間は6日間という肉も写っていて、こんなやり取りがきろくされている。
潜入記者「大丈夫なのか」
従業員「問題ない」
潜入記者「これ使える肉ではない。肉が青くなっている」
従業員「腐っているんだよ」
青くなっているのは7か月も期限が切れた牛肉だが、従業員はこれを細かく切って包装し直し、消費期限を「1年強」と書き換えた。床に落ちた肉の塊やナゲットを加工容器に戻す様子も映し出されていた。
元従業員は「2重の帳簿をつくっていた。1つは現場で作り、もう1つはデータを改ざんして監督官に見せていた」という。中国のニュースサイトは従業員の話として、「使用期限切れの原料の使用は上層部の指示だった」と伝えている。
バックはアメリカ食品卸会社―中国に8工場
この上海福喜食品は1992年にアメリカ食品卸会社の中国法人として設立され、中国本土に8か所の工場を持ち、本社は上海にある。製品はチキンナゲットやミニステーキ、豚ハンバーグなど5種類あり、中国国内のマクドナルド、ピザハット、ケンタッキーフライドチキン、バーガーキング、セブン・イレブンなど9社に納入している。
日本マグドナルドはこの会社と02年から取り引きを開始し、チキンナゲットの2割を占め、おもに関東・甲信越の1都10県1340店舗で販売していた。ファミリーマートは今月(2014年7月)から「ガーリックナゲット」「ポップコーンチキン」の2商品の取り引きを開始したばかりだった。
コラムニストの深澤真紀「アメリカ資本で取引実績があるからと安心していたのかもしれませんね」
小倉「著しいスピードで経済成長してきたが、その陰でこういうことが見えてくると、中国の発展はなんだったんだと思いますね」
分かったのはごく一部で、日本の他の販売商品には影響はないのか心配になる。