沈没した韓国・セウォル号の実質的オーナーで、指名手配されていたユ・ビョンオン元会長が韓国南部の順天の梅畑で腐乱死体で発見された。司会の小倉智昭が「けさ22日(2014年7月)、韓国から衝撃的なニュースが飛び込んできました」と番組冒頭で伝えた。
5000万円の賞金かけられた2日後
ユ・ビョンオンの変死は韓国の通信社「聯合ニュース」が報じたもので、遺体が発見されたのは6月12日で、一時潜伏していたとみられる別荘から約2.5キロ離れた梅畑で腐乱した状態だった。周囲には焼酎の瓶やマッコリの瓶が散乱していた。
警察が身元確認のためにDNA鑑定を行い、ユの兄のDNAとほぼ一致したという。それにしても疑問が多い。遺体が発見される2日前に朴槿恵大統領は、閣議で「必ず法の審判を受けさせなければない」と発言し、5000万円の懸賞金をかけて情報提供を呼びかけていた。政府機関との癒着がいろいろと取り沙汰されていただけに、口封じのために殺されたのではという疑念がわく。
直接殺されたのか間接的に自殺に追い込まれたのか…政府中枢にも人脈
遺体が発見された順天は半島南部で、ユが逃避行を重ねていた地域と重なるのに、腐乱死体になるまでどうして気づかれなかったのか。DNA鑑定で判明されるまでになぜ1か月以上もかかったのか。死因はなんだったのか。
竹田圭吾(「ニューズウィーク日本版」編集長)「ユ容疑者本人だけじゃなく、関係者、場合によっては政府のなかにも繋がりの深い人物がいるのではないかと言われていました。不審死ということであれば、直接殺されたのか、間接的に自殺に追い込まれたのか。捜査当局はそういった疑いを視野に入れているでしょう」
韓国では22日朝のテレビはこのニュース一色らしい。小倉が電話でジャーナリストのチョン・ヨンスに聞いた。「韓国でも非常に大きなニュースになっているのではないですか」
チョン「大変ですね。ニュースチャンネルはすべてこれでもちきりです」