「小中学生よる9時以降のスマホ禁止」愛知・刈谷市の自粛ルールに子供たちも賛否

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   昨今、スマートフォンの使用が低年齢、長時間化し、それに伴うLINEいじめなどのトラブルが急増している。スマホと子供の問題に詳しい竹内和雄・兵庫県立大学准教授は「昼間の学校でやることよりも、夜のLINEで『きょうの学校でこんなことがあった』と情報交換するほうが大事だ、夜が本番だという子もいます」と話す。

   そんななか、自治体主導でスマホ規制に乗り出す動きもある。愛知県刈谷市は今年から市内の小中学校で、親が夜9時以降はスマホを管理して子供に使わせないなどの「ルール」を導入した。実施から2か月後の生徒アンケートでは、半数近くの生徒が規制に賛成、反対は1割にとどまったという。グループでメッセージをやりとりするなかで、自分だけ抜けると阻害される恐怖感などから、やめると言い出すのがむずかしかったが、ルールを理由にやめやすくなったとの声がある。

   国谷裕子キャスター「しかし、規制のむずかしさも見えてきました」

LINEの「既読」に縛られてる

   竹内准教授は「中学1年では約7割が(刈谷市の)規制に賛成していますが、中3では3割に減っています。人間関係もできていて、いまさら9時にやめられないというわけです」という。

   ルールには強制力がなく、守らない生徒もいる。9時以降に相手から通信があった場合にどう対応するか。LINEのメッセージには「既読」サインがあり、読んだかどうかが相手にわかってしまう。「みんな12時すぎまで起きてるから、返信しないと『大丈夫かな』と思われる。『既読』にちょっと縛られているかなと思います」と刈谷市の中学3年生は話す。

   やりとりの相手も市内の生徒だけとは限らない。刈谷市のある中学生の家庭では、9時以降も名古屋市などの友人から続々とメッセージが送られてきたという。父親は「刈谷で規制しても、名古屋ではなにも言われてない。子供になんで相手は使っていいのかと聞かれて、どう答えればいいのか。全部でやめなければ、これは絶対、無理」と戸惑っている。

NHKクローズアップ現代(2014年7月15日放送「小中学校 スマホ『追放』騒動~トラブル低年齢化の波紋~」)

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