違法ドラッグを吸引していたとして、神奈川県の横山幸一元県議が逮捕された。フジテレビのカメラが吸引する様子と逮捕の瞬間をとらえていた。
東京都内のマンション駐車場で16日(2014年7月)午前7時半過ぎ、黒いポロシャツを着た男がキョロキョロ周りを気にしながらスモークの貼ってある車の後部座席に座り込んだ。一瞬、ライターの火が光った。タバコのようなものを吸っている姿が見える。このあと男はいったん外に出たが、すぐ戻ってもう一服…。直後に、神奈川県警の捜査員に薬事法違反の疑いで逮捕された。横山は「タバコに(脱法ハーブの)粉を付けて吸っていたことは間違いありません」と認めたが、「指定薬物とは知らず驚いている」と言い訳し、容疑を否認しているという。
「脱法ハーブ対策の推進強化を求める意見書案」に署名
横山逮捕のきっかけは、6月26日午前11時半ごろ、横浜市内のホテルに横山と一緒にいた30代の女性から、横山が薬物を吸って暴れていると110番通報があったことだった。このとき任意で事情聴取した神奈川県警の捜査員が横山をマークしていた。
横山は逮捕時、「借りているマンションにも(ドラッグは)まだあります」と話していた。横山は2年前、神奈川県に提出された「脱法ハーブ対策の推進強化を求める意見書案」に名を連ね、ドラッグについては指定薬物が検出されなければ違反にならないという知識があったのかもしれない。しかし、マンションの部屋からは数十個のドラッグが見つかり、そのうちの2個から昨年11月に薬事法で禁止された「α-PHPP」などの指定薬物が検出された。
高祖父は村長、曾祖父は市議・県議、祖父は県会議長
横山は横浜市の出身で、高祖父が村長、曾祖父が市議・県議、祖父は県会議長も務めたことがある政治家の家系で、地元ではよく知られていた。聖光学院中学から慶応高校に進んだ後、慶応大学通信教育学部へ進学したが中退。定職に就かずバイクレースに夢中になったこともあった。その後、横浜市内の保育園の園長を勤め、政治家をこころざしたらしく、07年の県議会選挙に33歳の若さで立候補してトップ当選した。
地元の鶴見区の住民は「有名な政治一家で、(トップ当選したのも)祖父の地盤を引き継いだからだろう」という。86歳になるその祖父は「地元の人たちとは何十年もの付き合いで、応援してもらった。それを信用してくれたわけですから申し訳ないと思う」と謝罪した。
司会の小倉智昭「県会議員として脱法ハーブ問題についての意見書に署名していたわけで、倫理観もへったくりもないですよ」