消費税10%「軽減税率」対象どこまで?欧米では食飲料品や書籍・新聞…

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   安倍首相は秋にも消費税10%を決める方向だが、軽減税率を導入するかどうか―先週から始まった与党税制協議会のヒヤリング(約50団体)では、賛否が分かれている。きのう15日(2014年7月)は9団体から話を聞いたが、5団体が反対だった。ただ、理由は必ずしも同じではない。

22%のイタリアは野菜・砂糖10%、パスタ、チーズ、パン4%

   経団連は10%時に導入するのは反対。連合は「同じ食料品でも高所得者にメリットがでてしまう。低所得者への救済効果が薄い」と給付つき税額控除を提言した。スーパーマーケット業界は「品目を分けたりするのが難しい。事業者の負担が大きい」と反対だ。賛成はJA・全中や全漁連など食料品の生産にかかわる団体だ。安い方が売れるに決まっている。しかし、賛成から慎重に変わった団体もある。

   最後はどの品目が対象になるかに収れんしていく。与党案ではすべての飲食料品を原則として、酒や外食を除くかどうか、菓子・生鮮食品をどうするか、コメは…など8つのケースを提示している。すべての食料品・飲料が対象となった場合、1%軽減で約6600億円の減収になる。要するにどこで線引きするかだ。税収の落ち込みと生活必需品救済のせめぎ合いだ。

   これを外国と比較してみると別の景色が見えてくる。GDP上位10か国を並べると、消費税率はイタリア22%、フランス、イギリス20%、ドイツ19%、ロシア18%、ブラジル、中国17%、インド12.5~15%、アメリカ9.44%(売上税)で、数字だけくらべると日本が最も低い。

   しかし、軽減税率を導入していないのは日本だけだ。たとえば食料品でいうと、イギリス、ブラジル、インドはゼロ、イタリアも野菜や砂糖は10%だが、パスタ、チーズ、パンは4%、フランス5.5%、ドイツ7%、アメリカ5%など軽減されている。書籍、新聞、雑誌も大方食品並み。フランスはわずか2.1% だ。

同じコメでも、玄米、精米、もち米、五穀米、酒米、もち、おにぎり…

   野村修也(弁護士)は「消費税は逆進性で、低所得者に重いといわれます。どれを軽減対象とするかで、業界の思惑もあるし、といって一律だと税収の落ち込みちが大きくなってしまう。むずかしいですね」という。

   キャスターの齋藤孝「書籍、新聞が含まれています。(わたしも)紙の新聞を応援してるが、線引きはむずかしいですよ」

   井上貴博アナは「たとえば、おコメだって」とフリップを見せる。「同じコメでも、玄米、精米、もち米、五穀米、酒米、もち、おにぎりと、どこで線を引くか、いろいろあります」「(各国でも)外食(レストランなど)は軽減対象から除外されてるが、お弁当は? ラーメンは?となると…」

   野村「食品でもたくさん買う高所得者の方が有利になるという見方もあります。本当に低所得者のためというなら給付という考えも出てきますよね」

   井上「与党は軽減税率導入で合意していますが、軽減税率自体がどうなのか、という議論にもなっています」

   8%だって「高いな」と感ずる。これがそのまま10%になったら主婦から文句が出るだろう。集団的自衛権どころの騒ぎじゃなくなる。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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