日曜の13日(2014年7月)、北海道・小樽で発生した飲酒運転による死傷事件の加害者・梅津雅英容疑者(31)は、12時間近くもビールや焼酎を飲み続け、呼気からは基準値の3倍以上のアルコールを検出。その前日には埼玉・川口で、やはり飲酒で死亡・ひき逃げの松村大貴容疑者(26)が逮捕されている。飲酒運転はなぜなくならないのか。「あさチャン!」では珍しく突っ込んだ検証をやった。
酔っ払い運転の死亡事故率、通常の20倍
飲酒運転による事故は2010年前の厳罰化で、1万6000件から年々減少しているが、このところ下げ止まり傾向にあり、2013年は4335件、うち238件が死亡事故だ。
飲酒運転防止の研究会座長をつとめた東京女子大の竹内健蔵教授は、「常習的に飲酒運転を繰り返す人がいるんです。アルコール依存症でやめられない人たち」だという。事故を起こす半数がこれだ。
依存症患者数は2013年で約109万人という推計があるが、「このままいくと間違いなく依存症になるという人たちがいます。自分はただお酒が好きなだけだと思っているが、実は予備群で、依存症になる前に手を打たないといけない」と竹内教授は話す。その数、800万人以上という。
どうしたらいいか。「どういう結果を招くかをよく認識したうえで楽しむ必要があります。特効薬はないから、飲酒運転はいけないことだと子どものうちから教育するのが、遠回りのようだが一番の近道」と話す。
「考えればわかることですが」と井上貴博アナが数字を示す。飲酒運転による死亡事故率は通常運転の19.5倍(警察庁調べ)だ。「減ってはきたものの、一定の数から下がらないんです」
どんどん刑務所送りにする厳罰化の必要
野村修也(弁護士)「厳罰化で防止しようとしてきたが、それだけでは完全にはいかないとデータでわかってきました。法律でだめなら道徳となるが、最近は、その間に技術による防止もあります。飲酒しているとエンジンがかからないとか」
キャスターの齋藤孝が「教育ビデオも有効だと思いますね」といったが、スタジオが一瞬しらっとなった。司会の夏目三久はしばらく斎藤の顔を見ていた。それがちっとも効かないないから問題なんだろうに。事故を起こさなくても、酒酔い・酒気帯びで摘発されたらドンドン刑務所送り、勤めもクビになるという厳罰化以外には効果は望めそうにない。
残るは人間性か。梅津は事故を起こしたあとコンビニでタバコを買って、それから110番していた。脱法ドラッグの事故も相次いでいる。同じレベルのような気がしてならない。