埼玉県川口市の女性引きずり殺し事件、北海道小樽市のはね飛ばし殺傷事件とも、加害者は酩酊運転だった。周囲も酒酔い運転を知っていて止めなかった疑いが強い。
川口市職員の松村大貴容疑者(26)は事故から6時間後に父親に付き添われて警察に出頭してきたが、呼気からアルコールが検出された。「酒は出頭する直前に飲んだ。事故当時は飲酒していなかった」と供述し、祖母も「警察に行く時にもうどうにもならなくなって、コンビニで缶ビールをちょっと飲んだ」と話していた。
ところが、事故を起こす5時間前の松村のフェイスブックには、ジョッキ片手に友人と乾杯している写真とともに、「3時から特別営業です~!!!!いいですよ~まだまだ?まれましょう」の書き込みあった。場所は父親の経営する居酒屋だった。ウソがばれ、松村は「事故は父親の経営する居酒屋から帰る途中だった。事故の前に酒を飲んだ」と認めた。警察は極めて悪質な犯行とみて、父親からも事情を聞く予定だ。
朝4時過ぎから12時間飲みっぱなし
小樽市の海水浴場近くで女性4人を死傷させた海津雅英容疑者(31)は、「事故を起こさなければ大丈夫と思っていた」と話しており、酒酔い運転の常習者だったようだ。バー店長の海津は事故を起こした13日明け方、自身のフェイスブックに「今年初海☆夏が来たよー☆今日は(海の家で)働くぜー!☆だからみんな集まれー」と気炎を上げていた。午前4時半ごろから砂浜で仲間らと酒を飲み、事故を起こす午後4時ごろまで12時間にわたり飲みっぱなしだった。
それを目撃していた人がいる。「酒を飲んでいたのはたしかですよ。土曜日12日の晩から飲んでいた。車で友人を送り迎えしていた姿も見ています。かなり酔っているなと思っていました」
ビーチには飲酒運転禁止の看板もあり、この目撃者が110番通報していれば4人の死傷は避けられただろうが、やはり何かが起こらなければ通報はできなかったのだろう。
海津は自分のタバコを買いに車で出かけて4人をはね、そのまま放置してコンビニでタバコを買っている。15分後に事故現場から500メートル離れたところに戻り、発見者を装って110番通報したらしい。
司会の小倉智昭「自分が酒を飲んでいる姿をフェイスブックに残し、みんなに見られている。証拠を残しているようなもの。酒飲みって忘れてしまうんですかね」
いや、酒を飲んで車を運転することがいかに重大な犯罪であるかがわかっていないのだ。車を運転することを承知で酒を飲み、あるいは飲ませて、人を轢き殺したら殺人、殺人ほう助だろう。