きのう13日(2014年7月)に投開票が行われた滋賀県知事選挙で、民主党前衆院議員の三日月大造(43)が初当選した。三日月は前知事の嘉田由紀子(62)の「卒原発」を引き継ぐ「後継指名」候補で、自民・公明党推薦の元経産省官僚、小鑓隆史(47)は敗れた。
「集団的自衛権行使容認」閣議決定でガラリ変わった楽勝ムード
2期8年務めた嘉田前知事の任期満了に伴うこの選挙は、原発政策の是非、嘉田県政の評価が焦点だった。原発銀座の福井県に隣接することから、嘉田知は段階的に原発をなくす「卒原発」を掲げ、おととしの総選挙では新党を結成して戦ったが、小沢一郎(生活の党代表)らのかきまわしに巻き込まれ不発に終わっていた。
嘉田は3選も視野にあったが、三日月が「卒原発」を引き継ぐことで「後継」となった。一方、安倍政権の内閣参事官として、成長戦略作成に関わった小鑓は、国とのパイプをアピールし地域経済の活性化を訴えた。自民党はのべ200人近い国会議員を送り込んで総力戦を展開したが勝てなかった。
自民党は原発をめぐる論争は想定内で、序盤の情勢では小鑓がリードしていたが、7月1日に安倍内閣が「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定したことで、空気ががらりと変わったと現地はいう。出口調査でも、集団的自衛権行使容認に慎重だった公明党の下部組織の揺れが読みとれるという。
自民党の石破茂幹事長はこの結果に、「全面支援した候補が敗れたのは重く受け止めなければならない」とだけ話したが、党選対幹部は「集団的自衛権の問題が正しく理解されていない。セクハラ発言などにも足元をすくわれた」といっている。