鳥取城のPRキャラクター「かつ江さん」が物議をかもしている。鳥取市が募集したコンテストの優秀賞だが、鳥取城が秀吉に兵糧攻めされた歴史からとった姿形や名前が問題になった。「かつ江(渇え)とは陰気だ」「個性的でいい」と賛否両論にぎやかで、市教育委員会は3日あまりで公開を終了させた。新潟県の佐渡では、世界遺産登録をめざす金山にある人形のせりふが「品がない」と抗議があったという。気に入らないとすぐクレームを付けたがり、自治体などがそれに過剰に反応するという風潮は危なくないか。
秀吉に攻められ落城の嫌な歴史「陰気だ」
鳥取城は1581年に秀吉勢に囲まれ、水や食料を絶たれ「渇え殺し」とよばれた。コンテストに応募した建築業の男性(40)は「悲惨な歴史を広く知ってもらいたかった。公開するなら役所は心中するつもりでやってほしい」と語っていたという。
「かつ江さん」はボロの服に痩せた頬、手にはカエルを持つ。7日(2014年7月)から鳥取市のホームページに公開されると、「向いていない」「おどろおどろしい」などの声が寄せられ、公開はきのう10日午後4時半で終えた。
キャスターの赤江珠緒「うーん、歴史としてそういうことがあったのだから、(公開して)いいと思いますけどねえ」
飯田泰之(明大准教授)「賛否はあっていいが、気に食わないと抗議をして公開を止めさせるというのは危険ですよ」
佐渡金山では坑夫人形のセリフ気に入らん
佐渡金山で問題になったのは、金を掘る坑夫人形の「早く外に出て酒を飲みてえ。なじみの女のにも会いてえなあ」というせりふだった。県議会で議員から「品性をおとしめる」という反対意見が上がり、内容を変えるように注文がついた。自然だから変えなくてもよいとする議員ももちろんいる。住民の間でも「このままでよい」「気にかかる」「子どもがまねするからいやだ」と両論が出ているという。
司会の羽鳥慎一「品って、なんですかねえ」
吉永みち子(作家)「働く人の状況をよく伝えていますよ。なにかを見せないようにする流れは息苦しい」
飯田「少しでも反対があると止めるのはどうですかね。特徴のない発信ばかりになってしまいますよ。賛否もふくめて公開したらいいのではないでしょうか」