台風8号は今朝11日(2014年7月)午前5時前、千葉・富津市付近に再上陸して鹿島灘に抜け、昼前には三陸沖で温帯低気圧になった。勢力もすっかり弱まって、首都圏では雨もパラパラ、風もチョロチョロ。厳戒態勢は完全に肩すかしとなった。空の便、鉄道、道路もほぼ平常通りだった。まあ、こういう肩すかしは悪い事ではないが…。
局地的な記録的豪雨置き土産
なんとも奇妙な台風だった。沖縄、九州南部、四国と進路上で大雨をもたらしたのはわかるが、まだ本体が九州にいるときに、新潟、山形でとんでもない大雨をもたらし、長野では大規模な土石流で中学生が死亡した。しかも久々に関東をかすめるというので、みな身構えた。
ところが、紀伊半島をかすめて遠州灘を東進するあたりから、東海、関東甲信越では強い雨の区域がほとんどなくなり、逆に北に押し上げられた梅雨前線 が活発化して東北、北海道に雨雲が集中した。結果的に、ごく局地的にとてつもない雨をもたらした。
土石流が発生した長野・南木曽町では10日午前4時40分からの1時間に97ミリと観測史上最大を記録、普段は小さな流れである梨子沢の上部2箇所が崩落して巨岩が集落を襲った。山形・南陽町では24時間に195.5ミリとこれまた記録的な雨量で、川があふれて町一帯を水浸しにした。住民は「70歳になるけどこんなの初めて」「記憶にない」という雨量だが、少し離れたところは何ともない。
文
ヤンヤン