号泣県議としてすっかり有名になった兵庫県議会の野々村竜太郎議員(47)に辞職勧告が出た。「3年分の活動内容を説明できなければお金を返還して辞職しろ」という極めて常識的な内容だが、きのう6日(2014年7月)、勧告を受けるため議長室に出向いた野々村は報道陣を煙に巻き逃げ去った。号泣の次はこそこそと雲隠れ。カメラに向かって泣きわめく姿をもう1度見たかった人もいたかもしれないのに…。これはこれで情けない。
「無精ひげ」に「過呼吸」
兵庫県議会の副議長らによると、勧告を受けて野々村議員は「泣くとか感情的なことはなかった」「神妙な面持ちで、無精ひげがはえていた」という。つめかけた報道陣は約100人いたが、取材はおろか、姿を見た人もほとんどいなかった。野々村は貨物エレベーターでこっそり出入りしていた。このルート、議会事務局が教えていたらしい。
「本人が記者の前に出たくないと強く拒否していましたから」と議会事務局長は話している。他の事務局員らは「彼を守ろうとしたなんて、それだけは誤解しないで」「3日間、他の業務はできなかった。ええかげんにせえーや、ですよ」「本人は過呼吸気味で、その面も心配して」と、いささか恥ずかしそうだ。
日帰り出張「城崎温泉」観光協会HPアクセス4倍
小松靖アナ「これをトカゲのしっぽ切りにしてはいけないという議員もいました」
舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「氷山の一角だとみな思っていますよ」
岩上安身(ジャーナリスト)「報告書を出して、誰でもいつでも見られるようにする必要があります。制限なく閲覧し、コピーもとれるようにすべきです。函館では全部をホームページで公開しています。全国で進めてもらいたい」
たしかに、政務活動費の流用は野々村に限ったことではあるまい。彼は1年生議員だから、先輩を見習ったとも考えられる。これを機に、他の県議の報告書のチェック、さらには全国の地方議会の政務活動費の支出内容をきちんと公開すべきだ。
思わぬ反響もあった。「世の中を変えたい」と泣き叫んだ野々村が1年半で195回の「日帰り出張」で、105回行ったという城崎温泉では、観光協会ホームページへのアクセス数が4倍に増えたそうだ。