号泣議員としていまや世界中に知られた兵庫県の野々村竜太郎県議(47)に対し、兵庫県議会はきのう7日(2014年7月)、「(疑惑の政務活動費について)説明責任が果たせないなら議員辞職を促す」という勧告書を手渡した。議長によると、野々村は「辞職を念頭においている」と言っているという。
県議会の「辞職勧告」に「念頭に置いてます」
発端は神戸新聞の記事で、2013年分の収支報告書から政務活動費の使途がおかしいという指摘だった。年間195回の日帰り出張が300万円超とは異常だと指摘していた。調べると、それだけにとどまらず、次々におかしなことが出て、その釈明会見の場で号泣だった。
出張では博多と東京を交互に11日間連続で出かけていたり、城崎温泉に106回など、見ただけで「ん?」という内容だった。「昨年9月2日の城崎温泉往復」では特急を利用したことになっていたが、その日は大雨でJRの特急が始発から午後6時まで運休だった。インチキにしても、もう少しそれらしくできないのかといってやりたくなるほどである。
切手購入135回176万2700円というのもある。領収書はあったが、郵便局ではなく神戸、大阪の金券ショップばかり。3日連続とか、1日に3回とか、2月には40万円も買っていた。
司会の夏目三久「少しは安くなるんでしょう?」
キャスターの齋藤孝「そんなに郵便って出せるのでしょうかね。封筒代だって必要だ」
先生! そんな話じゃないでしょう。封書で2万通以上の金額ですよ。県議の活動でそんなことできるものか。「買ってすぐ売ってたんだろ」とはっきりいわんかい。
自宅のビデオカメラ、パソコン、マイクも「会議費」や「広報費」
メディアもこぞって調べ始めたら、出るわ出るわ。遠方へ出張のはずの日に近所のコンビニの領収書があったとか、細かいものまで出てくる。2012年の報告だが、家電のまとめ買いというのもあった。金額は80万円。内訳の音響機器(マイクなど)14万2810円は「会議費」、映像関連機器(ビデオカメラなど)24万円は「広報費」、パソコンと関連機器41万9917円は「事務費」となっていた。置いているのは事務所兼用となっている自宅だ。
その自宅にも疑義が出ていた。都市再生機構(UR)の住宅だが、政治団体の事務所として事務費100万円を計上していた。URとの契約は「居住用」なので、目的外使用の疑いがある。
ともあれ、これらの合計が2013年で564万円ナリ。日帰り出張の交通費は「要請陳情等活動費」の名目で301万円。事務費が188万円、事務所費61万円で他の支出はけたがひとつ低くなる。広報広聴費はゼロ、つまり広報活動はしていない。いやはや、これらをざっと見ただけでも、まず説明はできまいと思う。
斎藤「全部使い切っちゃおうということでしょうね」
使っちゃいないよ。ポケットだよ。それをはっきりいわんか。
野々村県議の県議会での初質問の映像があった。2年前だ。「45歳独身で、次の夢は甘い結婚生活です」といい、「出会いを求めて登録し、文字どおり体を張って実益を兼ねて体当たり調査をしております」といっていた。それが調査の実態だったりして?