理化学研究所の小保方晴子・ユニットリーダーがきのう2日(2014年7月)、ほぼ3か月ぶりにメディアの前に姿をみせた。STAP細胞の検証実験のために神 戸の理研に出勤した。この日、英科学誌「ネイチャー」は小保方氏らの論文撤回を発表し、STAPは振り出しに戻った。
第三者が立ち会い24時間ビデオ録画
理研にタクシーで着いた小保方さんは、白いパーカー姿で、髪はポニーテールだった。報道陣からの呼びかけには答えず、少しうつむき加減に建物に入った。代理人の弁護士は「STAP細胞の証明のための第一歩となるので、しっかりやってきますといっていた」という。
ところが、実験総括責任者の相澤慎一氏は小保方さんについて、「実験ができるような状態じゃないんですよ、精神状態が。きちっとした生活が送れるようにすることが第一」と話している。相澤氏の説明では、小保方氏の実験は理研の検証実験とは別で、第三者が立ち会い、24時間全過程をビデオ録画するという。「そこまでやらないと、彼女が何か魔術を使って不正をもちこむのではなかろうかという危惧が(世の中に)あるということです」ともいう。
期限は11月末までだが、STAP細胞再現を証明できなければ実験は打ち切られる。
共同執筆者・ ハーバード大のバカンティ教授も同意
井上貴博アナ「ネイチャー誌は2日、STAP細胞論文の撤回を正式に発表しました。これでSTAP細胞は白紙に戻るということです」
ネイチャーは小保方氏らが「論文の中にいくつか重大な誤りが見つかった」と謝罪したといい、「STAP細胞が間違いなく存在するとはいえない」としている。最後まで撤回に反対していたハーバード大のバカンティ教授もホームページで撤回に同意したと明らかにした。教授は「STAP細胞の存在自体に疑いを投げかける情報は何もないが、確認された複数の間違いが論文の信頼性を損なったことを懸念している」と書いている。
これについて、論文の共著者である理研の笹井芳樹・副センター長は「新たに判明した遺伝子型などの齟齬を照らし合わせると、STAP現象全体の整合性を疑念なく語ることは現在は困難といえる」といい、同じく共著者の山梨大の若山照彦教授は「撤回で期待を裏切る結果となり、申しわけなく思っている」とのコメントを出した。
再検証する人たちも、小保方氏の実験を監視する役割の人も、ある意味では自分たちの研究時間を削ることになる。本当ならノーベル賞級といわれるSTAPにかける人はいるのか。保方さんの精神状態がどうなのかが気になる。