兵庫県議「大泣き」の事情―落選続きの末にやっとつかんだ議席「放したくない」

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「ウワ~ッ」

   大の大人があられもなく泣きわめくのは珍しい。兵庫県の野々村竜太郎県議(47)はおととい1日(2014年6月)の会見で大泣きし、その日のうちに日本中に伝わった。で、その理由というのがようやくわかった。これがもっと驚きだった。

1年の半分以上も「出張」105回も行ってた城崎温泉…地元は「見かけたことないなあ」

   問題になっているのは、野々村の2013年度の収支報告書の政務活動費だ。195回も日帰り出張(兵庫の城崎温泉が105回、佐用町が63回、福岡16回、東京11回)があって、約300万円の交通費(他の議員は30万円程度)を記載しながら、領収書の類いがなかった。

   1年の半分以上を出張していることになる。目的は陳情などとなっているが、なかには4月17日から11日間、博多と東京を連日交互に訪れていたというのもあって、奇妙キテレツである。「あさチャン!」も「4日に1度」の計算になる城崎温泉へ出向いて聞き回ったが、野々村を見かけたという人はタクシー運転手が1人いただけだった。

   会見は記者のひとり一人と名刺を交換し、「平常心でお願いします」と始まった。話が領収書に及んで、「無頓着なので覚えていない」。「新幹線には領収書ボタンがあるでしょう」といわれ、「初めてお聞きしました」あたりから目がうつろになってきた。そして、「ご指摘を県民の皆様のご指摘と受け止めて」と話し始め、「ウワ~ッ」となった。

   「政務活動費なんて、議員活動全体から見たらごくごく小さなものです」

   「文字どおり命がけで(ウワ~ッ)…。(記者の名をあげて)あなたにはわからんでしょうねぇ。世の中を(ウワ~ッ)、変えたい、その一心で…」

   「縁もゆかりもない西宮市民に選出されて(ウワ~ッ)、やっと議員になったんですゥ」とテーブルを叩いた。最後のところがどうやら本音らしい。

   野々村は元川西市職員で、2008年から太子町長選、西宮市長選、県議補選、西宮市長選に立候補して、いずれも落選している。11年4月の選挙で県議に「やっとなった」。1年の半分以上を出張していては、「世の中を変える」どころか、県議のつとめも果たせまい。

「領収書」なしの交通費300万円

   井上貴博アナの解説。「条例では政務活動費には領収書の添付が必要となっています。ただ、例外規定があるとか」

   TBSの龍崎孝・政治部長「領収書をとれないこともあるから、全部というわけではないが、この人の場合はあまりにも数が多いですよ。それを見逃していた事務局の甘さはありますね」

   この政務活動費は昔は調査費といったものだが、最近は会議とか政治活動にかかる人件費までで使えるようになった。

   井上「しっかり活動してくれていればいいんですが…」

   どうみてもいじましい話だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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