地下鉄駅の構内で子どもが母親に頭を蹴られ泣き叫ぶ動画がネットに投稿され論争になっていると「とくダネ!」が伝えた。投稿されたのは3月(2014年)のことで、母親が「返事はッ。どっちに行くのッ、帰るの行くの。どっち? 早くしてよ!」と怒鳴りつけている。そのあと母親について子どもが歩き始めると、振り向いた母親が突然左足で子どもの頭を蹴り倒した。
まわりの通行人は通り過ぎていくが、これを撮影していた男性が見かねて「オイ、警察を呼ぶぞ」と注意した。この事態に気付いた別の女性が駆け寄り、母親に話しかけると母親は子どもを連れてその場を立ち去った。
動画のネット投稿で大きな反響
この動画がネット上に投稿されると反響が広がった。「まじでゆるせねー!!悲しくて悔しくて涙出るわ」「なんで自分の子どもを蹴ったりするの。おかしいと思う」「親自体も公共の面前でああまでなっているから、精神的にもまいっているんだろうな」
「とくダネ!」がこの動画を投稿した男性に話を聞くと、こんな答えが返ってきた。「親だけが悪いというだけじゃなくて、親が何でああいう行動に進んでしまっているのか。(ネットに投稿すれば)問題提起になると思ったんです」と話している。男性は今月(2014年6月)、動画の映像とともに経緯を警察に届け出た。その警察から27日、男性に「母親が特定された。児童相談所が間に入って対応している」と連絡があったという。
東京・渋谷で街の声を聞いてみると、「可視化じゃないけど、ちゃんと動画にとっておくのはいいことだと思う」(50代の主婦)、「割って入って止めてあげたほうが子供のためにもなる。動画に投稿するのはちょっとやり過ぎ」(19歳の女性)と意見が分かれた。通行人が他人の揉め事に遭遇したらどう対応するか。反撃を食らう恐れもありなかなか難しい。
「30~40年前には躾で子どもを叩くのは許されてた。引っ叩く親いっぱい見かけましたよ」
司会の小倉智昭「時代の移ろいを感じますよね。30~40年前には躾で子どもを叩くのは許されていた。デパートで駄々をこねる子どもを引っ叩く親はいっぱい見かけましたよ」
梅津弥英子アナは納得しかねる表情でこういう。「ただ叩いているのと違って、足で頭を蹴っているんですよ」
小倉「蹴ったり叩いたりは暴行という意味では同じだと思う」
小倉が何を言いたかったのかわからないが、手加減できる平手で叩くのと、靴のまま頭を蹴り倒すのとでは根本的に違う。この母親の行為はしつけなどではない。犯罪である。その場で暴行の現行犯で逮捕されてもおかしくない。小倉以外は投稿した男性の行動に賛意を表していた。とくにネット産業論を展開する夏野剛(慶應大大学院特別招聘教授)は「ネットの動画は昔のコミュニティーの役割を果たしています。他人の目の代わりを果たしていると思います。行政側もネットを経由して上がってくるものに対し、もう少し積極的に取り組んだほうがいいとおもいます」という。
キャスターの菊川怜「顔にモザイクもなしでネットにアップされ、誰だかわかる状況で、母親のその後の生活を考えると大変ですよね」
たしかに、こうしたケースでネット上にモザイクもなしに映像が広がるのは問題がある。今後は、携帯電話の写真にモザイクをかける機能を付けるなど工夫が必要になってくるのだろう。