東京都議会でセクハラ野次が飛んでいた時、「がんばれ」と応援のヤジを飛ばしたという議員が名乗り出た。民主党の山下太郎都議で、塩村文夏都議(みんなの党)がやじで発言が詰まったとき言ったという。他の尻馬セクハラの主はいぜん隠れたままだ。
「産めないのか」の発言者は依然スットボケ
山下都議は「がんばれ」「動揺しちゃったじゃないか」と発言していたがはげましたのだという。「一般質問はただでさえ緊張している。騒然とした中では大変なことで、かわいそうだと思ったんです」
では、なぜいまごろ名乗り出たのかと聞かれ、「一部で、応援とは逆の意味ともとれる報道があったため」「パフォーマンスと受け取られるのもいやだった」 と話す。
山下都議の声は塩村都議にも聞こえていたようで、「『がんばれ』というのが聞こえて、応援してくれてるのだなと思いました」という。塩村都議はなお「もう少し調査を各会派なり議会でしていただきたいし、本当の再発防止につながってほしい」といっている。
都議会は25日(2014年6月)に再発防止の決議案を自民党など多数で可決したが、やじの発言者の特定や処分を盛り込んだ案は否決された。塩村とぎはそのとき、所属会派に従って可決案に賛成しており、「複雑な気持ち」と語っていた。党は「名乗りでることが大切」としている。
セクハラやじは鈴木章浩都議(自民)が「早く結婚した方がいいんじゃないの」といったと謝罪したが、ほかにも「産めないのか」など複数の発言があった。これらについてはだれも名乗り出ていない。
新聞記者も性差別ヤジに鈍感?社会面で取り上げたの毎日新聞だけ
キャスターの齋藤孝が「アメリカではどうですか」とTBS外信部の津川卓史デスクに聞いた。元ワシントン特派員だ。「アメリカでこういうことを公の場で言ったらすぐクビですね。これが日本の一断面であるのは間違いないですよ。議会だけではない。心理的な部分で変わっていかない」
井上貴博アナ「やじなんてあまり認識していなかったのですが、考えるきっかけにはなりましたね」
そもそも第1報が社会面に載ったのは毎日新聞だけで、他紙は都内板だった。つまり、この種の発言に記者の方もすっかり慣れっこになっていたわけだ。「これは社会面だ」と判断した毎日新聞のデスクも、立派だといわれるようでは困る。